日没。そろそろ帰還しなければならない時刻になった。
最後にこの村へ向かう途中に見えたパゴダへ行ってみることにする。パゴダは村の西端にあるので、なんだかんだで村の中を行ったり来たりしている状態だ。
家並みはすでにシルエットになりつつあったが、パゴダにはまだ西日が当たって金色に輝いていた。
山門には2体のマヌーシアが乗っている。
山門をくぐって進むと左側に講堂があった。
お坊さんがいたので挨拶して、寺の名前を訊ねる。
「マハボーディ寺院」とのこと。
人を呼んでくれて、パゴダを案内させるという。
案内役のおっさん。
なんか、すごく人相悪い。怖いんだけど・・・?
でもまあ気持ちを取り直して、パゴダへと向かう。
独特の形だ。
これはインドのブッダガヤにあるマハボーディ寺院(大菩薩寺)のミニチュアコピーだな。
アールデコみたいな独特の装飾もよく似ている。あえて言えば、主塔のてっぺんにある相輪の部分が、本家はそろばんの玉みたいな形なのに対して、こちらはミャンマーの仏塔風。
どうやら建物の内部に入れるようだ。
内部は塔の中央の柱を中心として仏像が飾られていた。
賽銭箱があったので、100円ほど寄進。
仏陀の前には、ニスでぴかぴかになった木彫りの兵士っぽいのがいる。ミャンマーのお寺ではあまり見かけないタイプの像だ。
こちらは女性の像。
左手にパゴダ、右手には武器のようなものを持っている。
木像の写真を撮っていたら、案内人のおっさんが「これも撮れ、それも撮れ」と教えてくれる。
なんだ、人相悪いけど、いい人じゃん。
これは水晶でできたパゴダ。
これから飾られるであろう、準備中の仏像たち。
過去二十八仏だろう。
「これは木に仏陀の形が現れたものだ。写真撮れ!」
おっさんが教えてくれなければ見過ごしていたろう。
こっちの木にも、立ち姿が現れている。
ありがたや、ありがたや。
境内には他にサブのパゴダなどはなく、ミャンマーのパゴダによくあるタコンタイ(石柱)も見あたらない。
これはお坊さんの住居か。
三階建ての僧房を建設中だった。
田舎の小さな村にしてはかなり立派。
帰ろうとしたら、寺で働いていた男たちが集まってきて、お茶を飲んでけということになった。
「これからオートバイでパアンまで帰らなくちゃならん」と話すと彼らもびっくりしたようで、かわりに記念写真を撮ることになった。
いかついおっさんが多いけど、基本的にはフレンドリーな寺だった。
(2015年11月29日訪問)