津山市へ戻ってきた。
これから車を駐車するために津山城に向かうのだが、せっかくなので出雲街道の旧道を通ってみた。
市街地の東部の出雲街道は、宿場町の様相を呈している。古い民家の残存率が高く、延長は1kmほどはあろうか。町並み観光としてかなりレベルが高い町である。
このように、二階の袖壁が外側に傾斜する角度で付いているものを当サイトでは
簡易的な卯建というような意味合いで、呼び分けている。
でもこのように袖卯建が分厚い漆喰で出来ていれば、これはもう「卯建の町並み」と言ってしまってもいいだろうと思う。
こうした町並みが成立するのは、明治以降ではないかと思う。
煙出しや高層櫓のある造り酒屋。
この造り酒屋は特に立派な商家だ。
この地区は南側に流れる吉井川の舟運で繁栄した。
白壁の割合が低い建物でも、なかなかの見ごたえ。
こういう風景は関東ではほとんど見ることができない。中部地方以西の景観と言っていいのではないか。
町外れに木造三階民家があった。
1階から3階まで平面積が同じ間取りになっている。
木造建築なのだが、そのシルエットはまるで鉄骨造か鉄筋コンクリート造の建物のようだ。
街道筋の民家は鰻の寝床のような地割りに建てられ、奥の部屋の採光のために天窓や坪庭などを工夫するが、このように二階、三階が完全に載った間取りだと、奥の部屋は真っ暗になるのではないだろうか。どうなっているのか見てみたい気がする。
さて、このころ町並みはすべて動画で撮影しようと考えていた。というのも個人が撮影した動画をパソコンで見る環境が整い始めていたからだ。
ところが、このときのデジカメで撮影できる動画は画質は粗く、さらに広角レンズのアダプターを装着して撮影したのだが、どういうわけかレンズのフレアというかハレーションがひどく、鑑賞に堪えないものになってしまった。
町並み全体を自転車で往復して丹念に撮影したのだがせっかくの苦労が水の泡。町並み動画撮影の野望はその後腰砕けになってゆくのだった。
それでも何かこの時代のものが映っているかもしれないので、一部を載せておく。→ 町並動画
(2003年04月29日訪問)