宇山洞の近くに、間欠泉というものがあるというので行ってみた。道路に看板があって、場所はすぐにわかるようになっていた。
道路から50mほど降りると、川に出た。
入口の看板には川の対岸と書かれていたがどこにあるのか見えない。
それに川は結構な水量があり、簡単には渡河できそうにない。
ウロチョロしていたら、飛石的に渡河できそうなポイントを発見。
川石は濡れていると滑るし、落ちたらそれなりに面倒なことになりそうな水量なので、一般的にはここを渡るのはお勧めできない。
登山用のストックを2本持って降りてきたので、四本足にして三点支持で注意深く渡った。たぶんストックがなかったら渡河できなかっただろうと思う。
対岸をしばらく歩き回ったら、間欠泉の案内板があった。
この草間の間欠泉は「間歇冷泉」といい温泉地の蒸気圧で吹き上がる間欠泉とは原理が違う。温泉地の間欠泉は噴水みたいに吹き上がるが、ここは崖の穴から湧水が勢いよく流れ出るというものだった。
地元では「潮滝」とも呼ばれているそうだ。場所からすると、このあと訪れる羅生門という鍾乳洞群の吹き出し穴なのかもしれない。
かつては8mの高さにあったが、大水が出たときに川底が浅くなったそうで、今では近くで観察できる。
5~6時間おきに50分程度、水が噴き出すという。
このときはチョロチョロとしか流れていなくて、吹き出していない状態なのだろう。しばらく見ていたが吹き出す気配もなさそうなのであきらめて帰ることにした。
案内板によれば「サイフォンの原理で」吹き出すと書かれていたが、それでは意味が不明。ネットを見ても同程度の情報しか得られなかった。
湧出量が2種類あり、交互に繰り返すということは単純なサイフォンというわけではないだろう。そこで自分なりに二通りの原理を考えてみた。
ひとつは電気回路の「フリップフロップ」のように、Ⓐ,Ⓑの2系統の地底湖と水脈があるケース。たとえばⒶの水脈が通水すると、(吸気口がふさがる等の理由で?)Ⓑの水流が止まるが、Ⓑの貯水量が増えてオーバーフローすると今度はⒶの水流が阻害されてⒷの貯水が開放されるというような、デジタルっぽい仕組み。
もうひとつは、建築の配管などで生じるウォーターハンマー現象のようなもの。「ウォーターハンマー現象」とは、パイプ中の流体の速度が変化するときに、慣性などの要因でパイプ内に強い衝撃波が生じるという現象。特に配管がサイフォンのように屈曲する場所で生じやすいとされる。その点が「サイフォンの原理」という書き方とも整合する。
地底湖から流れ出す水に水路の傾斜などから一定のリズムが発生し、増幅されてサイフォン部分の空気が周期的に圧縮され、強い噴出が発生するのではないだろうか。
(2003年05月02日訪問)