大阪府のタコ巡りもいよいよ最後の物件。
せんなん里海浜公園はまだ整備が完全に終わっていない公園だった。暗くて公園の全容はわからなかったのだが・・・。
公園の公式サイトを見た限りでは箱作ぴちぴちビーチの近辺にタコの記載があったので、浜辺に行ってみたがどうもタコがありそうにない。そもそも地図でタコが描かれていたあたりは公園の外のようにも見える。寒いし、暗いし、人っ子一人いなくて心細くなりながら行ったり来たりしていると、ふと海岸の崖を登る階段があることに気付いた。
階段を上がると海岸段丘の上に広場があり、そこに大ダコが鎮座していた。タコは海の生き物だから海に近い位置にあるだろうという漠然とした思いがあったのだが、見事に裏切られた。一度くらい海辺にたたずむタコを見てみたいものだ。
公園は明るい照明で照らされていて、懐中電灯無しでカメラを操作する手元も見える。ストロボを焚かずに三脚のみで撮影することにした。
色はクリーム色っぽく見える。もっとも水銀灯の下なので正確な色はわからないが‥‥。
かなり新しいようで表面の状態は極上。人研ぎに使われている骨材(?)の大理石の粒が大きめに感じられた。
盾の部分。厚みがある。
なお後ろに見えるのは南海本線の線路。このタコにアプローチするには、箱作ぴちぴちビーチへの専用取り付け道路に入らず、南海電鉄の線路に沿った道から近づくほうが効率的であろう。
盾の表面もきれいに仕上げられているし、盾の上部のスロープ部分にあるイボイボもほどよい大きさ。いままで見た大ダコではこのイボイボがぞんざいな作りのものが多かったので、これは見ていて気持ちがいい。
横から見たところ。特に変わった点は見受けられない。
後方。
左肩の触手のスロープにはやや特徴がある。
この部分のスロープは一般的には触手へ行く通路からそのまま滑降できるものが多いが、このタコではいったん水平に橋のように伸びてから滑降部になっている(矢印)。
左肩から見たところ。
スロープを降りたところにはそれぞれにマットが敷いてある。
左脇の虫食い穴も定石通り。
大ダコの参照モデルと言ってもいい物件だと思う。
阪南市には自然田公園、佐智川公園、とここの3ヶ所にタコがあった。地方都市としては全国でも屈指の密集度と言えるだろう。また、高石・岸和田エリアといい大阪府の南部には、タコがタコを呼んだとしか思えない密集地帯があることがわかった。
阪南市から和歌山市まではすぐである。和歌山市からフェリーに乗れば寝ていても徳島市まで帰ることができる。欲を言うならフェリーにお風呂が無いのが不満なのだが、それでも和歌山まで着けばあとは気がラク。船室にクルマから毛布と枕を持ち込んで熟睡体制に入る。
横になって目を閉じると今日見たタコたちが走馬灯のように頭のなかを巡ってくる。そんなタコたちの記憶をたどろうとしつつも、寝入るまでにそう時間はかからなかった。
(2003年12月30日訪問)