国道を走っていたら、「ホルンフェルス入口」というような案内板があったので入ってみた。
どうやらあの断崖がそれっぽい。
駐車場はけっこうな台数が停められ、土産物やサザエのつぼ焼きなどを売っていて、浮かれた観光地の風情。こうした地質の露頭で一般向けの観光地になっている場所は珍しい。
駐車場から500mほどは徒歩で海岸までいく。
断崖の上まで来た。
周囲は急な斜面が海に落ち込んでいる、山陰の海岸線らしい風景。
海の色も鮮やかで、景勝地としてもなかなか。
海岸線まで降りると、地層が間近で観察できる。
この地層を構成している岩はホルンフェルスと言って、砂岩や泥岩などの堆積岩が地熱で変成した岩だ。
ここでは種類の違う砂が交互に積もった地層が変成されたためか、色の違いがくっきりと現われているのが特徴的だ。
それが縦方向の節理で崩壊して断崖を作っている。高さは15mほどだが、縞模様が細かいため実際より大きく見える。
日本を代表する地層の露頭といっていいのではないだろうか。
付近にはあまり変成を受けていない地層もある。
こちらはタテヨコの細かい節理面でサイコロみたいに剥がれ落ちている崖。
近くでみると、まるで岩窟寺院の風景ようだ。
海食地形のひとつ、タフォニもわずかにみられる。
水際まで降りることができるのがうれしい。
カニなどと戯れている人もいた。
磯だまりにはすごく生物の密度が濃い。
ムラサキインコガイやフジツボがびっしり。ヨロイイソギンチャクも敷き詰めたみたいにいる。
フジツボやムラサキインコガイってみそ汁にしたら美味な食材だ。特にフジツボは甲殻類(カニの仲間)なのでびっくりするくらいいい出汁が出る。
風景も美しいので、地形マニアでなくても楽しめるオススメのスポットだ。
(2004年05月02日訪問)