タトンの町は長方形をしていて、その西側の境界には鉄道が通っている。その鉄道から外側には水田広がっていて人家はない。住宅地と水田が直線的にくっきりと分かれているのだ。水田地帯は低湿地で、雨季には水浸しになり人が住めない土地なのだろう。
水田地帯には点々と小島のように見える村がある。その一つに行ってみよう。
村へ入る一本道。ヤシの木並木が続いている。小商いをする家も多くにぎやかな道だ。
しばらく進むと家々は途切れ、水田の中のかさ上げした道路になる。奥に見える森が目的の村だ。
村の入口。看板にセイピューチョゥン村って書いてあるようだ。
道が上り坂になっているのがわかるだろうか。奥のほうは水田の耕作面からは5mくらい高いかもしれない。
印象だが、ここは砂丘とか自然堤防のような低地から盛り上がった地形ではなく、沈下した丘陵の山頂部分なのではないかという気がする。
村の中に入ってしまうと、特別な地形には見えず、このあたりの普通の村の中と変わらない。
しばらく走り回っているとパゴダが並んでいる場所に出た。僧院の入口である。
僧院は村の中央の一番高い場所にあり、僧院の森を取り巻くように人家がある。
寺の参道は石段になっている。
奥のほうは水田なので、かなりの標高があることがわかるだろう。どんなに水位の高いときでもこの村に水が乗ることはあるまい。
参道の途中にはベンチのある休憩所。
紫のペンキって珍しいな。
ベンチをすぎると小さな山門があった。
カギは掛かっていなかったので入ってみよう。
僧院の敷地も森に包まれている。
寺子屋をやっていたようで、外国人の来訪に子どもたちが珍しそうに集まってきた。
きょうの午前中に最初に見た寺でも寺子屋をやっていた。きょうは祝日なのだが、祝日にはいつも僧院で子どもに教育をしているのだろうか。
子どもたちが走り去ったので、ついていってみる。
パゴダへ続く回廊のなかで小さなグループを作っておしゃべりしていた。
もう午後だしきょうの授業は終わったのかな。
パゴダは子パゴダ8基を従えたシュエダゴンパゴダ型。
八曜日の遥拝所はない。
対になるタコンタイ。
パゴダの前には大きなパゴダ拝殿がある。
どうやら僧院の裏側から入ってしまったようだ。
あらためて表のほうに回り込んでみよう。
回廊には例によってたくさんの説話絵馬がかかっている。
薄暗い回廊はパゴダ拝殿へと続いている。
奥から子どもたちの合唱が聞こえてきた。お経を暗唱させられているのだろう。
パゴダ拝殿の内部。
5体の仏陀が祀られている。
僧房や食堂。
立派な僧院だが、観光で入るようなお寺ではないな。
ひと回りしてパゴダのところに戻ったら、授業が再開していた。
さっきは休み時間だったのか。お邪魔しちゃいました。
(2019年03月27日訪問)