ポンドゥペパゴダ

2頭の白象が臥しているユニークなパゴダ。

(ミャンマーモン州タトン)

タトンの西側には広い水田地帯が広がっている。だがそのエリアを衛星写真で見ると不思議なことに気付く。農道がないのだ!

一般的に農地にはそこへ耕作に行くためや、収穫した作物を運び出すための道路が必要である。それを農道という。だがタトンの西部、海岸線までの15kmほどのあいだにはほとんど道路というものがなく、ただパッチワーク状の四角の地割りがびっしりと続いている。

そしてその水田地帯のところどころに小さな村や、散居(=離れ離れになった一軒家の農家)が点在している。それらの村や散居は本当に陸の孤島のような場所で、おそらく水路を使った舟運でしか行くことができないのだ。

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そうした村々へ行くための船着き場ではないかと思われる地形があったので行ってみることにした。

先ほどのセイピューチョゥン村のすぐ南側だ。

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タトンの市街の西端には鉄道が通っている。ヤンゴン→バゴー→モーラミャイン→ダウェイ線である。

これがその鉄道の線路。

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線路のまわりは柵があるでもなく、自由に軌道に立ち入りできる。放し飼いされているブタが呑気に線路を歩いていたりする。

日本の感覚では休止線かと見まがう荒れかただが、れっきとした現役線である。

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踏切はこんな状態。たぶん近くの村人が砂利を敷き詰めて通りやすくしているのだろう。

ほとんど保線されていないのだろうな。

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しばらく進むと船着き場に到着。

船だまりにたくさんの舟が係留されていた。

ここから水路を通って、村々へ舟運が通じているのだ。

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茶店には舟を待っていると思われる人たちがたむろしていた。

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これはオートバイ預かり所かな?

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タクシーで舟を運んできた男たちもいた。

異なる水系か、水門等で隔てられた水路間をこうやって移動しているのかもしれない。

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暑季のせいか水位は下がっている。

舟が出港しないかしばらく見ていたが、動きそうな気配はなかった。

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さて、この船着き場の横にはパゴダがある。

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名前はチャウロゥンジポンドゥペパゴダ。

山門の上にはテーブルに置かれた経典と楼閣のような建物、左右には天部の神様が向き合っている。楽しそうな山門だ。

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中に入ってみると、まだ工事中だった。

タイルは仏塔の周りに敷かれているだけで、境内全体はコンクリのタタキのまま。

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パゴダの前には2頭の白象が臥している。

左側のゾウのほうが牙が長く、背中に小さな仏塔を乗せている。右のゾウは牙が短く背中には経典を乗せている。アジアゾウはメスには牙がないので、これらは2頭ともオスのゾウだと思われる。

ゾウの背後には新たに仏塔を建立中だった。

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対になるタコンタイも基壇がゾウ。

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境内の片隅にあるムチャリンダ仏と鐘つき柱。

真剣に祈りを捧げる男がいた。

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まだ施設を建造中のパゴダだった。来るのが少し早すぎた。

(2019年03月27日訪問)