きょうのもうひとつの目的地。衛星写真で見つけた湖の中にあるパゴダ(矢印)。
写真は水がない季節に撮影されているが、パゴダの北側に細い橋のようなものが写っており、おそらく湖、もしくは、湿地の中の島にお寺があるロケーションと思われる。
立地的に面白いので、きっと参詣したら楽しいパゴダに違いない。
パゴダの南西側、ホッカレイ村からアクセス。
モン族の赤い旗が目立つ町だった。ここは行政区分的にはカレン州コーカレイ郡区になるが、住民の多くはモン族だ。カレン州 = カレン族の居住地というわけではない。このようにカレン州内にもモン族は住んでいるし、逆にカレン州以外にもカレン族が暮す地域もある。
南西の土橋から寺を目指す。
思った通り、沼地の中の島全体がお寺になっているようだ。
並木を抜けるとびっくり!
ただのパゴダではなく、ヒンダー(オシドリ)のカタチをしたパゴダだったのだ。
これ、大仏の一種と見なしていいですか?
巨大ヒンダーのほかにちゃんとした大仏もいらっしゃる。どうもヒンダーに指示を出しているような場面を再現しているのだが、ヒンダーが強烈すぎてもう大仏のほうにはあまり関心が向かない。
あらためて写真を見ると、これはこれで奇抜な印相だ。
ミャンマーでは、インレー湖などでカラウェイ船という鳥形の船の山車があるのだが、どことなくそれと似ている。
でもカラウェイ船のモチーフがカラウェイ(極楽に棲む上半身が人間の鳥で、日本でいう
ミャンマーで、カラウェイとヒンダーは造形上ははっきりとは区別できないが、この鳥は尾羽のプリッとしたところからして、ヒンダーと断定してよかろう。
そもそもここはモン族の村である。ヒンダーはモン族のシンボルなのである。
お尻の穴あたりから中に入れる。
1階はどことなくトイレを思わせる間取り。
自由に入れるが空き部屋で、仏像などはなかった。
続いて、2階へ上がってみよう。
階段を上がると、尾羽の付け根の部分に出た。
尾羽の中も部屋になっているみたいだ。
尾羽はもともと薄い造形だし、さらに1階からの階段室もあるから残された空間は限りなく狭くなる。
そしてこの通路だ。こういう無茶な設計、すごくいい。
尾羽の中には触地仏が2体いた。
2階の仏塔のあるお堂の中には四面仏。ただし、4面は均一ではなく、1つだけ仏像が小さい面があった。
お堂を通り抜けると、ヒンダーの頭のほうへ抜けられる。
ヒンダーの頭の中にも入れる。
でもこちらの部屋はありきたりで、触地仏が1体置かれているだけだった。
バルコニーに出られるが、周囲は干上がった沼地みたいな風景が広がっているだけ。
水があるときに来るべきなのかな。
北側には細い橋があり、本坊と思われる寺院へつながっている。
ヒンダーから出て、本坊のほうへ行ってみよう。
本坊へ通じる橋のゲートにはマヌーシアがいる。
橋はRC造だけれど、人ひとりが通れるくらいの幅しかない。橋長は約160m。
いまは暑季なので水は少ししかないが、おそらく雨季には全体が水浸しになるのだろう。
いまは水牛の放牧場になっていた。
本坊側のパゴダ。八曜日の遥拝所付き。
コブラ光背の大仏が建造中だった。周りは濠になっているので、完成すれば水が入るのだろう。
狛犬ならぬ駒ヘビは、このように緑と赤に塗り分けられていることが多い。
大菩提寺と大雁塔を折衷したような、異国情緒あふれる本堂。
内部は円筒状の須弥壇に仏陀が並んでいた。たぶん、二十八仏。
小さなシュエダゴンパゴダレプリカを載せた祠があった。
内部は触地仏の四面仏。
本坊側の山門。本来はこちらが正門なのだろう。私は裏側から入ってしまったのだ。
私がこの前を通りかかったら、この本坊だけでもたぶん参詣してしまうだろう。さらに池の中に巨大ヒンダー島があるという楽しさ。
モーラミャインあたりから観光で来てもいいのではないか。
(2019年03月27日訪問)