カンターヤ湖の夜市

毎日開催されるナイトマーケット。

(ミャンマーカレン州パアン)

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パアン市民の憩いの場、カンターヤ湖。その北側にあった窪地が2017年ごろに埋め立てられて平地になった。駐車場でもできるのかと思っていたら、そこでナイトマーケットが開かれるようになった。

私の知る限り開催は毎夜である。雨の日にやっているかどうかは、わざわざ雨の中確認に行ったことがないのでわからない。日暮れごろから屋台が立ち、21時にはすべての屋台が撤収する。

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日中の暑さもやわらぎ、過ごしやすくなるからかたくさんの人々が毎夜このナイトマーケットに集まってくる。

満月祭などと雰囲気は似ているが、売っているのは食品のみ。衣料品や食器、オモチャなどを扱うお店は一軒もない。たぶん主催は州政府で、出店する店舗の種類も決められているのではないかと思う。

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それにしてもにぎやかだ。主に若い子たちが友だち同士、恋人同士で食事や食べ歩きを楽しみに集まってきているのだ。

確かにパアンタウンシップの人口は40万人強あるのだが、日本で人口30~40万人の地方都市に毎夜こんなにごった返す場所はないだろう。不思議な気持ちになる。日本人は貧しくなったとはいえ、あきらかに日本の若者のほうが経済的に余裕があるはずなのに、みんなどこでなにをしているのか。

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お店を見ていこう。

これはサトウキビジュースのお店。茎の中の砂糖水を搾り、氷を入れて飲む。ただの砂糖水というわけではなく、さっぱりしていてとても美味しい。

みたところサトウキビの茎も太く、品質はよさそう。

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ローカルフード、いわゆるミャンマーカレー(ヒン)。

鶏、ブタ、ヤギ、エビなどを油で煮た料理だ。野菜はすべて油炒めしてある。

パアンで食べられる料理としては一番美味しいと思うが、毎日食べ続けるのは無理。

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クレープ屋。

焼いてぱりぱりになったところにヒヨコ豆を載せたり黒蜜を垂らしたりしたお菓子。

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焼きそば、おこわ、餅菓子。見た通りのものだ。

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のり巻きはこちらでは韓国料理として食べることができる。

ちなみにカレン州全体で(ホンモノであれインチキであれ)日本料理と名のつくものはいまのところ存在しない。同じミャンマーでもヤンゴンでは日本料理の看板を揚げている店は100~200軒くらいはあるんじゃないかな。1軒くらいカレン州にもあってもバチは当たらないだろうに・・・。

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コオロギの唐揚げ。

普通に美味しい。コオロギと言っても、日本のトノサマバッタくらいの大きさがあり、けっこう食べごたえがある。

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チマキや中華まん。

作り置きされてるみたいなので、外国人的にはちょっと心配。

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蒸した落花生とトウモロコシ。

これはこのマーケットの全食品のなかで、もっとも安全なもののひとつであろう。不衛生でなくても油っこさでお腹をやられる人もいるので、このような油分のない食品は貴重だ。

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臓物のおでん屋。

甘辛い香辛料の効いたタイ風のスープで煮た臓物。チリソースやパクチーソースに浸けて食べる。

私は個人的にスープの味も好きじゃないし、パクチーも好きじゃないので、積極的には食べないかな。

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スムージー屋さん。

お祭りで何度か飲んでいるがいまのところお腹を壊したことはない。店によると思うが、このナイトマーケットの店はどこも最低限の基準は満たしていると思う。

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フレッシュジュール屋さん。

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焼鳥屋さん。

これはたぶんこのナイトマーケット全体で最も日本人の口に合い、しかもお腹にも安全そうなお店だ。逆にいえば、面白みはない。

たしか2本で1000チャット(約80円)。べらぼうに安いわけではない。このマーケットで売られている食品はほとんどが1000チャット札を前提としているので、1万チャットなどの高額紙幣は断られることがある。

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揚げ春巻きのお店。

ミャンマーでは喫茶店で朝食に食べたりする。

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カットフルーツ。

左からバナナ、ジャックフルーツ、パイナップル、未熟マンゴーのトウガラシソース漬け。

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果物屋。左はミカン、上はビンロウ、中央の黄色い実はなんだろう、ビワに似ているあまり見たことがない果物だ。もしかしたらマプランという果物かも。買ってみたらよかったな。

ビンロウは噛みたばこのトッピングとして使う。

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ゴマ入りの揚げパン。

油をけちって焼く店の揚げパンはとても美味しいが、やたらめったらに油を使う店のパンは、日本人にはキツイ。

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練り物屋さん。

まだ食べる勇気がない。色味とかやっぱり不気味。

ソーセージも見えるが、日本のソーセージをイメージして口に入れると、一瞬「ヤバっ」ってなる。

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手羽焼きはたぶん美味しいだろう。

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アイスキャンディー屋さん。

ルーレットみたいなのがあるので、当たり外れがあるのかもしれない。

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マーケットの隣りには小さな公園があり、夜だというのに子供たちが楽しそうに遊んでいる。

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作り物じみた色合いの噴水。

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風船売りの風船もけっこう売れている。

パアンの子どもたちが大人になったとき、きっとこの公園のできごとは幸せな思い出として残っていることだろう。

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この公園のにぎやかさはどこか胸が苦しくなるようなノスタルジーを感じさせるのだ。

動画①

動画②

そして現実感のない、まるで映画のエキストラの演技を見ているような不思議な感覚に陥ってくる。

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不気味なパンダ立像の前で記念撮影をする子どもたち。

たぶんこのパンダはお姫さま抱っこ用のアトラクションと思われる。この両手によじ登るのが正しい使い方。

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パアン市のシンボルであるカエルのゆるキャラ。

「パ」は「カエル」、「アン」は「吐き出す」という意味で町の名前にカエルが含まれている。そのいわれについては→こちら

こんなにぎわいが毎夜、欠かすことなく繰り返されているのが現在のパアン市。日本からみたらまだまだ貧しい国だが、人々は年々豊かになっていることを実感しているのだ。いまが一番幸せなときなのかもしれない。

(2019年02月26日訪問)