テラコンの村にもピントが甘い写真がいくつかあったが、この日撮影した写真にはピントが合っていない写真が多いことをあらかじめお断りしておく。
ドゥラン街道方面に出かけた日、帰路で猛烈な砂埃の中を走って全身が真っ白になった。デジカメはそのときはポケットの中に入れていたのだが、どうやら内部に砂が入って異常動作をするようになったみたいなのだ。デジカメの小さな液晶ではピントが合っていなくても気付かないので、かなりの枚数おかしな写真が撮れてしまった。
きょうはサルウィン・パアン橋の西岸、私がミャインカレイ山脈(ルンニャ山?)と呼んでる山並みのあたりを訪れることにした。
サルウィン・パアン橋の西詰めの料金所あたりから西へ入る道があり、乾季にはこの道からヤテピャン山脈の裏側方面へ入り込むことができるのだ。
その最初の村、パアカァ村(?)にヒンドゥ教のお寺があったので立ち寄ってみた。
この村には肌の色の浅黒いインド系の住民が多く、宗教もヒンドゥ教徒が多いのだろう。隣接して2つのヒンドゥ寺院がある。
山門の前にはランゴリ(またはコーラム)と呼ばれる模様がペンキで描かれていた。
これはインドのヒンドゥ教徒の習俗。
山門を入ると正面に立派な塔門(ゴープラム)がある。
塔門は拝堂と一体化していて、その拝堂の背後部分は聖室と一体化している。つまり、塔門、拝堂、聖室がすべて一体化した構造だ。カレン州ではポピュラーなヒンドゥ寺院の型式である。
私はヒンドゥ教のことは不勉強で、この構造の本堂をどう位置づけたらいいのかまだよくわからない。
とりあえず今後、ヒンドゥ教のお寺があったら積極的に入っていこうと思う。
塔門の左側には食堂かと思われる建物があり、その先にももうひとつお堂がある。
塔門の右側には井戸と厨房と思われる建物がある。
塔門の前には3枚の板を貫いた形の柱があった。
トーラナという門の意匠と似ているがたぶん別のもの。
こういうものが何なのか、手っ取り早く学べる各国版ヒンドゥ伽藍図鑑みたいなものはないのかな・・・。
塔門にはたくさんの神々が造形されていて魅惑される。
門の前にはナンディ(牛)の像と思われるものがある。何の前提もなければ獅子に見えるが。
香油がかけられて黒光りしている。
寺男がいたので参詣に来た旨を告げると、お堂の中を案内してくれた。
まずメインの拝堂の中へ入る。
建物は一体化しているので、奥のほうに見える須弥壇みたいなのが聖室部分にあたる。この屋根の上には塔が載っているはずだ。
近くで見てみよう。
これ自体がちいさな部屋になっていて、本尊的な神様はこの部屋の中に鎮座する。
手前の両側に脇侍的に収まっている神様。
左側、これはガネーシャだね。
右側、わからない。
いつかヒンドゥ教徒の友だちでもできたら、一つ一つ覚えていきたい。
聖室の内部。
奥に本尊的な神様がいる。目玉が金色に塗られていてギラギラしているのがちょっとエキゾティック。
この聖室の外周、四方にも神様が納められている。
聖室の左面の神様。
シヴァかな。
部屋の左奥にあった金色の神様。
手に槍みたいなのを持ってる。三つ股になった槍で、ヒンドゥではトリシューラなどと呼ばれる神様の武器。
聖室の後ろ面の神様。
部屋の右奥にあった肌色の神様。
ムルガンかな。
聖室の右面の神様。
琵琶を持っているのでサラスバティーかな。
日本の弁財天の原初の姿。
続いて、メインの建物の左のほうにあるお堂へ行く。
錠が掛かっていたがわざわざ開けてくれた。
お堂の中にはいるとすぐ左側に初転法輪仏があった。
ヒンドゥ教にとって、釈迦はヒンドゥの神々の枠組みの中の一人という扱いなのである。
建物の構造はやはり聖室内蔵型。
先ほどの本堂と同じような構成。
ありがとう寺男、いろいろ見せてくれて。もう少し勉強して、いつかこうした神々のひとつひとつが何なのかわかるようになりたいものだ。
寺男に礼を言って寺の外へ出た。
寺の塀の外、北側に何か別の施設があった。
小さなお堂と、礼拝用の装置みたいだ。
なんとなく、寺の塀の外にあることに意味がありそう。
これが礼拝装置。ローソク立てだろうか。
神様はまた三つ股の槍を持っていた。
これもシヴァ神なのかも知れない。
(2019年03月16日訪問)