トゥジーゴン寺院があったのと同じ、パアカァ村(?)の様子。この村にはもうひとつヒンドゥ寺院があるのでそちらにも立ち寄ってみる。
村にはインド系の人々が暮らし、ヒンズー教の信者が多い。ミャンマーではカーストのような明確な階級制度はないのだが、肌の色での差別構造のようなものはあって、色が黒い人々はなんとなく下に見られ、牧畜に従事する人が多いとされる。
この村で見かける民家もちょっとカレンとは違っている。切妻妻入りの主屋の入口側に下屋が出ていて、床下は低くて人は入れない。
手前の下屋部分は吹き放ちになっている。ここが接客などをするパブリックな空間なのだろう。
入口にはランゴリ風の模様が描かれていた。
村の中を進んでいくと、お寺が見えてきた。
目が覚めるような色鮮やかなお寺だ。最近ペンキを塗り直したのだろう。
これまで見たヒンドゥ寺院みたいな高い塔門はなく、拝堂の上の装飾は控えめ。そのかわり建物の屋根や外壁にたくさんの神様がいる。
拝堂の前には巨大な馬の像があり、前脚が男の肩の上に乗っている。これ、すごく特徴的なモチーフだと思うのだけれど、何の神様なのか調べられない・・・。
いつか簡単に論じられるときがくるのだろうか。
では本堂の中を見ていこう。
内部の様子。
さきほどの寺院では拝堂の前にあった柱がこの寺では堂内に立っている。あらためて過去に訪れたヒンドゥ寺院の写真を見返してみると、この柱はむしろ堂内にあるのが一般的みたいだ。
柱の前には仮設の供物置き場があり、バナナや花が燃やされていた。
柱の後には黒ずんだ動物。これ、名前がわからないけど当面「
さっきの寺では「獅子に見えるけど牛なのか?」と悩んだが、ここの油獣はあきらかに牛じゃない。獅子だな。ということはさっきの寺も獅子だったのか。
聖室部分は手前の左右に脇侍みたいのが納められていて、そのパターンはさきほどと同じ。
中の神様は首をかしげたかわいらしい像。
電飾光背が付けられている。ヒンドゥの寺で電飾光背見たのははじめてだ。
聖室の四面の神様を見ていこう。これは左側。
裏側。
右側。
さっきの寺も右側の神様は琵琶を弾いていたので、これも同じ神様だろう。と、いうことは聖室の四面はいつも同じ神様が並ぶのかも。
本堂から出て、隣りの建物へ行ってみよう。
本堂の屋根にもたくさんの神様がいる。すごくきれいで心が落ち着く。
聖室の上のドームにも神様がいるけれど、遠くてよく見えない。遠くて見えないところに神様がいるのは、塔門にも共通していて、ヒンドゥの特徴なのかもしれない。
隣りの建物へ。
拝堂の前に献花台みたいなものがあった。油で黒ずんだ蓮台にジャスミンの花が載せてある。
こちらの建物は拝堂に壁がなく吹き放ちになっている。
油獣はガルーダだ。
本尊は顔色が青い神様。
クリシュナかな。
こちらも電飾光背付き。
お堂の外周を見てみよう。半人半魚の眷族。
基壇の部分のピンクや紫のグラデーションがとてもきれいだ。
日本の極彩建築と感覚が似ている。
猿みたいな神様。
イノシシみたいな神様。
馬みたいな神様。
紹介し尽くせないくらい面白い神様が並んでいる。
本堂から離れたところにある、大菩提寺ふうの祠。
中には仏陀が祀られている。
本堂から離れたところにある祠。やはり三つ股の槍が前に立っている。これもどうやらヒンドゥ寺院のパターンのひとつみたいだ。
祀られている神様はヒゲをはやしたおじさまふう。
同じく本堂から離れた祠にあった神様。
祠の前に日本の寺の
(2019年03月16日訪問)