タンカライ洞窟と僧院

ひとつの山の反対側に洞窟と僧院がある。

(ミャンマーカレン州ラインブエ)

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さて、洞窟探索の山へ向かうとするか。ここは山の麓に寺があるので、けっこう期待している候補地なのだ。

暑季で田んぼは完全に干上がっており、車のワダチが道になっている。ここを突っ走れば山への近道というわけ。もちろん、乾季・暑季専用で水田に水が入ったら道はなくなる。日本人的には(あぜ)を踏み壊してひどいと思ってしまうが、ミャンマーではわりと普通。田んぼの中に農道がないので収穫したコメを搬出するために畔を踏みつぶしてトラックで田んぼに入るのだ。

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山が近くなってきた。

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僧院の入口だ。

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僧院の名前は、タンカライタンチィ僧院。「タンチィ」は「山の下」の意味なので、「タンカライ山のふもとの僧院」というような名前。

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とりあえず洞窟があるとすればこのお寺の境内の可能性が高いので、入ってみた。

これは1階が僧房、2階が講堂の建物か。

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その右奥には食堂と思われるお堂もある。

写真を撮っていたら、修行僧が出てきた。

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「この寺に洞窟ある?」

「あるけど、あっちのほうだな」ともと来た方向を指さしている。

「この林の中を行くの?」

「もっと遠くだ。しょーがないな、案内してやる」修行僧と寺男っぽいのがバイクで案内してくれることになった。

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もと来た道を少し戻り、

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僧院から見た山の裏側のほうへ回り込んでいく。

どう見ても田んぼの中を通るしかルートがなさそう。雨季には通れないじゃん。

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山肌に穴が開いてる。あそこが洞窟かと思ってついて行ったが違うようだ。

少し山を巻いたところに白いパゴダ群と石段があった。

衛星写真ではまったく気付かないような場所だ。修行僧が教えてくれなかったら、わからずに帰っていただろう。

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山体崩壊でくずれおちたと思われる大岩の上に3つのパゴダ。なにか意味があるのか看板がついていた。文字が小さくて読めないけど。

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修行僧は石段を登って行く。サンダル履きのままで。

助かるなぁ。ここから裸足になられると、日本人としてはかなりつらいので。

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50~60段ほどの石段を登り切ると、小さなゲートがあった。

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洞窟の入口だ。

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洞窟の周囲の崖はえぐられたようになっている。

これは水没によってできる地形ではないかと思う。つまりこの山は急激に隆起したということなのだろうか。

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洞窟の入口には瞑想所が作られていた。僧院から出張してここで瞑想することがあるのだろう。

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鍾乳洞の中にはパゴダがある。

けっこう整備された立派な鍾乳洞だ。

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主洞は右奥のほうへ続いている。

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光が差し込んでいる支洞がある。さっき、崖の中腹に見えた穴がこれか。

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懐中電灯で照らすと、寺男はどんどん奥へいざなっていく。

「これ、見ろ」

ってたぶん言ってる。寺男は英語をまったく解さない。

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天井までつながった石筍があった。

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フローストーン。この左側を入れそう。

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天井が低くなってリムストーンが発達していた。

どうやらここまでだな。

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洞窟は最深部まで80mくらいだろうか。

いつのまにか子どもたちが集まってきていた。どこから来たのだろう。

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子どもたちも一緒に洞窟探検。

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洞窟の出口には鐘つき柱。

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ほかに休憩所のような建物があった。

親切な修行僧がいたおかげでこの洞窟を知ることができた。ありがとう、修行僧。

(2019年03月10日訪問)