ティーライン洞窟寺

とても小さな山に鍾乳洞がある。

(ミャンマーカレン州コーカレイ)

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タンカライ洞窟があった枝道から取って返して、ふたたびドゥラン街道に戻った。

怪獣公園があったあたりまでがラインブエ郡区、そこから先はコーカレイ郡区に入っていく。コーカレイ郡区との境界にはとくにセキュリティゲートのようなものはなかった。

道の先には大きな山が見えているが、次の目的地は別である。

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道の左手に見えている小山が次の目的地だ。

きょうの行程の中で、唯一、洞窟があることがあらかじめわかっている山である。カレンっ子の facebook でこの洞窟の存在を知り、GoogleMaps の投稿写真を探しまくって場所を知ったのである。

じゃあ GoogleMaps の投稿写真を探せば洞窟の場所がすべてわかると思われるかもしれないが、そんなことはない。パアンっ子でもそこまでねちっこく洞窟巡りはしないみたいで、マイナーな洞窟は写真が投稿されていないのだ。(あるいは私が投稿しているだけだ。)

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洞窟の入口と思われる場所には案内板があった。

「ようこそ、カンニポゥ村へ」

コーカレイ郡区に入って、デリケートな雰囲気の場所だったらイヤだなぁと思っていたが、観光地っぽい空気になり少し緊張がほぐれた。

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枝道を進もう。

道に沿って仏旗が並んでいる。

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どうやらお祭りがあったみたいだ。

いや、露店がまだ並んでいるので、今夜もあるのかも知れない。

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村の中でちょっと道がわかりにくかったが、なんとか小山に近づくルートを発見。

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まず、洞窟の本坊と思われるお寺に参詣しておくか。

「タンパレータンシュィムワザヤ」と書いてあるようだ。

「タンパレー山シュィムワ庵」みたいな意味か。ということは、洞窟がある小山の名前は「タンパレー山」なのか。

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境内には僧房があるのみ。

日本でいう、本堂、兼、庫裏みたいなお寺だ。

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ちょっと覗かせてもらおう。

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内部はこんな感じ。

外観はカレン州の高床式民家みたいだが、中は壁がなく講堂のように一部屋になっている。

お坊さんはここで読経し、接客し、食事をし、寝起きもしているのだろう。

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僧房の裏手には小さなパゴダが1基あった。

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ではいよいよ洞窟のある山へ向かおう。

入口には柵がある。

たぶんヤギ除けではないかと思う。人間は梯子で柵を乗り越えればよい。

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山の北側には池があった。

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山の外周はえぐれたようになっている。これは石灰岩の山が水に浸かったときにできる地形だと思う。

実際、このあたりは雨季には水浸しになりそう。

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洞窟が見えてきた。

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色鮮やかな祭壇がある洞窟だな。

内部はタイル敷きで仏像の数も多い。

現地の女の子がいたので、洞窟の名前を訊いてみたが知らないとのこと。現地っ子でも知らないんだなぁ、とちょっとがっかりしていたら、しばらくして人から聞いてきて教えてくれた。「ティーライングゥ」とのこと。

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仏像の配置も複雑で、飽きないようになっている。

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洞窟の壁際には取り巻くように二十八仏が並ぶ。

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一番奥には三人の仏陀。

床もきれいになっているので、ここで跪拝しておく。

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この三仏陀の左側からまだ奥がありそう。

鍾乳石の上に小さなパゴダが載っているのが見える。そこまで行ってみるか。床はタイルがなくなっているので足の裏がちょっと痛いが。

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さらに奥には支洞があり、高い位置にパゴダの絵が描かれている。

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よじ登ってみると奥は深くなさそう。

グアノが溜まった短い穴だった。

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奥まで入れそうのなところもあったので進んでみたが、

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結局行き止まりだった。

突然の侵入者にコウモリたちが迷惑そうに飛び出していく。

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主洞の奥へ進むと出来かけのフローストーンのようなものがありその先から光が漏れている。山の裏側へ抜けているようだった。

貫通型の鍾乳洞多いな。

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最深部から洞口方向を見たところ。

洞窟の長さは全体で100mくらいか。

一見シンプルで整備された洞窟だが、仏像の裏側には自然の鍾乳洞の顔があり、充分に楽しめた。

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祭りの会場へ行ってみた。

日中は閉まっている店が多いが、なんとか店主がいる店を見つけて駄菓子とジュースで腹ごしらえ。

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満月のときに行われるお祭りは、村では数少ない娯楽であり、近郊からたくさんの若者が集まる。

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これはコンサートやお芝居をやる舞台。日中は観客席でウシが草を食んでいるだけだ。

日本でもかつて村祭りで芝居を楽しんだ時代があった。

(2019年03月10日訪問)