街道の先に大きな双耳峰が見えてきた。名前はふもとの村で訊いた限りでは、ボゥタァルゥ山らしい。
標高は目測200mくらいか。
左の峰の頂上にパゴダが見える。
うわ~、よくあんなところに作ったな。
もちろんきょうは登らないけどね!
街道に面して寺の総門があった。
入ってみるか。
寺へ続くと思われる道は途中から採石業者の敷地みたいになってきた。
労働者が「え~、ここ通るのかよ~、仕事のじゃまだな~」という視線を投げてくる。
でも寺があるんだし行ってもいいだろう。
採石場を過ぎ、道が上り坂になったところに粗末な僧房と山のほうへ続く石段があった。
お坊さんは常駐していないようだ。
僧房の前にオートバイを止めて、とりあえず石段を登ってみる。
いくらも登らないところに小さなパゴダがあった。
そのパゴダから少し登ったところの岩陰に仏像が並ぶ平地があった。
崖の窪みをうまく利用して、仏像を並べてある。
ヘビとヤモリが表現されている。
ミャンマーのヤモリ(パァディニョゥ)は、日本のヤモリと見た目は似ているが、決定的な違いもある。それは鳴くこと!
夜、部屋の中でキュッキュッキュッキュッという鳴き声がしたらそれはヤモリの声である。
まだ石段が続いている。
暑さでふらふらになりそうだが、もう少しだけ登ってみるか。
そこから少し登ると得度堂があった。下にあった僧院の得度堂なのだろう。
得度堂はそのお寺の敷地のへりのほうにあるので、このお寺はここまでで終わりなのだ。
得度堂の周りは山の鞍部で、少し平地がある。
これは講堂、兼、僧房といった風情の質素な建物。やはり無住であった。
その前には墓石のようなものがある。
その墓石の裏側の暗がりには、、、
鍾乳洞の吸い込み穴がある。
よく見ると、講堂兼僧房の横はドリーネになっているようだ。
ドリーネの中へ降りる道はなさそう。
引き返そうと思ったら、得度堂の裏に細い道が続いているのに気付いた。何かあるかと思って進んでみると、また石段が。
きょうはこの山は登らないって決めていたのにどうする? だいたいこういう石段の先に洞窟があることは少ないのだ。
でも洞窟がないという確信が得られるところまで少しだけ登ってみようか。
造りは雑で、急な石段が途切れず続いている。
もう洞窟はないだろうな。
でも、暑い中ここまで登ったのだしもう少しだけ登るか(コンコルド効果)。
暑っつ~。
石段を20段くらい登るたびに休憩と水分補給をしながら這い上がっていく。
もう洞窟とか関係ない。
約20分で山頂に到着。山麓から得度堂までが10分程度だったから、合計30分というところ。
途中かなり急な場所はあるものの、最後まで石段が途切れることはなかった。
こんな田舎の、誰も登らないような山に、よくもこれだけの階段を作ったものだと驚く。
山頂には2基のパゴダがあった。
電気が来ているので夜には明りがともるのかもしれない。
山頂からは360度の展望があり、プルメリアの花が美しく咲いている。この花の乾いた感じは、暑季のパゴダと合うなあ。
ドゥラン街道のもと来た方向。
いくつもの沼が見える。雨季になると、この沼が全部ひとつになるくらい水没しそう。
双耳峰の反対側の峰にもパゴダがあるがあそこにも登れるのだろうか。
その先に見える山まできょうは行くつもりだ。
ドゥラン街道のこれから向かう方向。人がうつぶせになったような小山は仮称ナブー山。
衛星写真で見る限り、取り付く道がなく、洞窟もなさそう。
その奥のうっすらと見えているのはドーナ山脈。タイとの国境の方面だ。
山頂にはほかにローソク台と鐘つき柱があった。
予定していない山登りになってしまった。
とりあえず、この山の周りを巻いてみたがどこも採石場ばかりだった。
でもあとであらためて衛星写真を見てみたら、山の裏側に寺があることに気付いた。この山、もう一度行かないとダメだな・・・
(2019年03月10日訪問)