さて、カァヨン山を巻くぞ!
道は未舗装だけど、石灰岩の砂利の路盤はよく締まっていて走りやすい。
途中、洞穴がありそうな崖もあったが、人が登っている気配がないのでスルー。
しばらく走ると、山すそに金色のパゴダが見えてきた。お寺があるのかな?
近くまで行ってみると、崖の岩陰にいくつもパゴダが並んでいる。たぶんお寺だ。そしてどうやら洞窟もあるっぽい。
問題は岩陰までのルートだ。
低湿地は雨季の雨で冠水していて、水溜まりというよりも沼に近い状態。
一歩入っただけでひざ下まで水が来る。
波紋に驚いて逃げていく小魚。
昨日今日に水が入ったのではなく、雨季の間はずっと沼なのかもしれない。
でもここまで来たら向こう岸まで行ってみたい。とりあえずパンツが濡れない程度の深さまでは進んでみよう。
足を取られないように慎重に沼の中を歩く。
最も深いところはひざ上まで水に浸かったが、なんとかそこを通りすぎ、パゴダが近づいてきた。
パゴダは四隅に小パゴダを従えた、当サイトのいうところの須弥山型式。パゴダと対になる石柱のタコンタイは緑色に塗られている。
沼を渡り切った!
やっぱり想像したとおり、洞窟寺院だった。
洞窟に入口には、シンティワリ、ムチャリンダ仏、チャイティーヨーレプリカがジェットストリームアタックのごとく並んでいる。
こちらのタコンタイは赤色。
階段の登り口には、コンクリで作られた池みたいなものがある。
これまでにも何回か紹介しているが、これが何なのかはまだわかっていない。寺やお堂に入るまえに足を洗うプールではないかと想像しているのだが。
では、さっそく入らせてもらうおう。
階段の1段目が広くかまぼこ型になっているので、ここで履物をぬいで行くのがマナーであろう。
階段を登ったら、なんと洞窟の奥で半裸のお坊さんが起き出しているところだった。たぶん午後の昼寝の最中だったのだろう。
こちらもビックリしたが、お坊さんもさぞビックリしたことだろう。まさかこんな雨がちの日に、沼を渡ってこの寺を訪れる参拝者がいるとは思っていなかっただろうから。
「起きてこなくてていいよ」とジェスチャーで伝える。
よくみたら寝釈迦の前に袈裟が選択して干してあった。
なんともゆるい感じの寝釈迦だな。
衣紋の表現もホイップクリームみたい。
あのお坊さんが作ったのだろうか。
ほかに初転法輪仏、
設置中の祭壇があった。
お坊さんを起こしてしまったので気まずくて、早々に立ち去ることにした。
洞窟自体はさほど深くなかった。
それにしてもお坊さんはよくこんな洞窟で暮せるな。電気がないのは当然として、水も食料もどうしているんだろう。
あとで思えば、お坊さんに寺の名前を訊けばよかった。
パアン・モーラミャイン街道の入口に「カマタン寺院入口」みたいな看板があったので、この寺がカマタン寺院だということにしておこう。
また沼を歩いてもどらなければならない・・・
その先を見ると、、、
えーっ、マジ? またスコールだよ。
すでに1kmくらい先は土砂降り状態。
雨合羽が乾く間もないな。
(2019年07月09日訪問)