聖パトリック教会

広い境内には大学の施設がある。

(ミャンマーモン州モーラミャイン)

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上大通り(Upper Main Rd)の教会にもうひとつ入ってみよう。

チャイタンランパゴダの参道に近い場所に、ミントグリーンに塗られた尖塔が目立つ教会がある。名前は「聖パトリック教会」。

モーラミャインに教会が多い理由は、英国の影響だろう。モン族は英緬戦争で英国側についた。英緬戦争でビルマ王朝は滅亡し、モーラミャインは英領ビルマの首都になったという歴史がある。

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第二次大戦でも英国側についたモン族は戦争終結後、独立国の樹立を求めたが認められず、新モン州党(MNSP)モン国家解放戦線(MNLF))を結成して武装闘争を続けていく。それは以前に紹介したカレン族の独立運動の歴史とも似ている。

MNLFとビルマ政府軍との戦闘は停戦協定締結後の2019年現在も散発的に発生していて、東部の山岳地帯はいまだに外国人は自由に立ち入れない。

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教会の敷地には3階建ての巨大な建物がある。

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学校ではないだろうか。

そのわりには人がいない。日曜日だからか。

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境内に入るとまず目に付くのがキリスト磔刑(たっけい)

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裏表に2人のキリストがいる。

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教会堂の型式は当サイトの分類でいう「単塔付き単廊十字型」である。

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内部には入れなかったが、屋根伏せが単純な切妻で、下屋(げや)が出ていないことから、内部は単廊であろうと推測。

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尖塔の上部階は時計塔になっている。

なぜか間違った時刻になっていた。

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教会堂の前には2人の聖人像。

たぶんキリストとマリアだろう。

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教会堂の前には六角堂があった。

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中には聖人像。教会の名前からの推測でパトリキウスじゃなかろうか。

頭の後ろに電飾光背が付いてる! ものすごくミャンマーローカライズされた聖人像だ。

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教会堂の左側へ回ってみた。

平面が十字型だということがよくわかる。

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教会堂の後ろにはパゴダみたいな建物がある。

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敷地はさらに奥のほうへ続いている。

扁額に「モーラミャイン大学北キャンパス」とある。モーラミャイン大学は、市街南部の空港のあたりにある立派な大学なので、ずいぶん寂しい場所に北キャンパスがあるな。しかも教会の境内の中。

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モーラミャイン大学の建物からさらに奥へ入って行くと、、、

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また教会堂のような建物があった。

モーラミャイン大学って、もしかしてキリスト教系の大学なのか。

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教会堂ふうの建物の中は、教材倉庫になっていた。

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そのさらに奥には僧房のような建物があった。

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続いて、教会堂の右側を見てみる。

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教会堂の十字部分の後ろに、キリストの物語を再現したジオラマみたいなものがある。たぶんキリスト教の用語でクレッシュというやつ。

ミャンマーの仏教寺院ではよく仏陀の物語のジオラマがあるので、キリスト教でもあるだろうと思っていたが、思いのほか早く見つけることができた。

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物語の順番で番号がついている。

1~6までは、十字部分の飛び出した部分の壁にある。

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7~14までは教会堂の壁。

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磔刑の場面。

ジオラマというより、レリーフだな。

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昇天の場面は絵画だった。

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パゴダのような建物。

その隣りに築山みたいなものがある。

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キリスト教会の境内に、ときどきこういう築山があるけれど、普遍的なものなのだろうか。

これはたぶんルルドの聖母(ルルドの泉)を表現したジオラマだと思われる。

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パゴダのような建物の内部。

食堂じゃないかな。

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ステージの奥に最後の晩餐の絵が掛かっている。

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奥に片づけられた聖人像があったが、文字はかすれている。「St. John ..... 」のように読めるが。

(2019年07月21日訪問)