スィンワー滝

パウン山脈の東麓にある水浴びがメインの滝。

(ミャンマーモン州モーラミャイン)

モン州は南北に長い形をしていて、その中央には背骨のような山脈地帯が続いている。それらに私は勝手に名前を付けている。タトン側から順に「北タトン山脈」、「南タトン山脈」、「パウン山脈」、「マルタバン丘陵」、「ムドン山脈」である。

これらの山脈にはたくさんの山岳パゴダがあるのだが、私が手を付けたのは北タトン山脈の寺だけ。

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この山脈地帯に手を付けていない理由は、一つには、ここには数えるのも恐いくらいのたくさんの山岳パゴダがあり、まだパアン周辺の洞窟寺院すら片付いていないのに、新たに山岳パゴダ巡りを始めることによってどちらも中途半端になってしまうのを懸念したこと、もう一つは、私が滞在しているパアンからは近道がなく、タトンかモーラミャインを経由するため簡単には行けない距離だからである。

だが、一度も自分の運転でパウン山脈方面へ行ったことがないのもさびしい。せっかくモーラミャインまで来ているので、道路の下見をかねて1箇所だけ行ってみようと思い付いた。目的地は地図の矢印の場所、スィンワー滝。滝は乾季には消滅する可能性があり、雨季のいま行っておくのがいいだろうと思ったのだ。

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モーラミャインからスィンワー滝までは約30km。大した距離ではないけれど、パアンからモーラミャインまでがすでに60kmあるので、帰路は90kmを戻らなければならない。

パウン山脈の西側には国道8号線が通っているが、滝があるのは山脈の東側。そこにはモーラミャインとタトンを結ぶ地方道があるが、そこは一度も通ったことがない道になる。初めて通る道はいつでも一抹の不安を感じ、とても遠く感じる。

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滝が見えてきたころには、天気は荒れ模様になってきていた。時刻はもう16時近い。

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滝の下のほうに駐車場や茶店が見えた。

未舗装の道は山のほうへ続いているようだったが、雨季でガレていたし、雨が降っているので山のほうへは行かず、駐車場へ。

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駐輪場にオートバイを預けた瞬間に、横殴りの雨になった。

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土産物屋もあわてて商品を取り込む。

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駐輪料金は500チャットだったかな。

村の子どもたちが働いていた。

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滝には7~8軒くらいの「海の家」的な茶屋がある。

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私はその1軒に転がり込んで雨宿りをさせてもらった。

ただ雨宿りをするのも悪いので、ジュースを注文。

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45分くらい茶屋のテーブルでボーッとしていたら雨が小降りになってきた。

雨季の外出は、こんなふうに雨宿りで時間が過ぎていくことも多い。

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しばらくすると雨がやんだので、滝のほうへ歩いていってみた。

思ったよりも人が来ている。

ミャンマーで滝、といえば多くの場合滝壺で泳ぐことが目的となる。つまり天然のプールだ。

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水は綺麗。

平野部の川や池は濁っていることが多いので、山の滝は気持ちよく水浴びできるのだろう。

水量はけっこうあるので、人が下流に流されないように竹で柵がしてあった。

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この流れに吸い込まれたら、間違いなく打撲傷を負うし、悪くすると溺れる。

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橋を渡ったところにも海の家的な「滝の家」がある。

たぶんここで荷物を預けたり、浮輪を借りたりするんだろうな。

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滝は山の中腹に見えていて、ちょっと距離がある。

この山脈の西側にはジンチャイッ滝という名瀑があるが、そちらはモロに滝の中で泳げるのに対して、こちらは遠くに滝を眺めながら滝壺で泳ぐといった感じ。

滝壺の面積だけからいえばたぶんジンチャイッ滝よりも広いけれど、滝そのものはジンチャイッのほうが立派。

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もう夕方だというのに水の中ではしゃぐ人たち。

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滝壺を奥へ奥へと進んでみる。

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最上流の滝壺。

右奥の林の中から川が流れ出ている。

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滝まで登るつもりだったのだが、はっきりとした道がわからない。

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しかたがないのでここから眺めるだけにしよう。

もしかしたら、駐車場の手前の道を山のほうへ行ったら滝へ行けるのかもしれない。

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遠くから見たら小さそうな滝に見えたが、こうしてみるとそれなりに勇壮な滝だ。

ただし乾季にも水があるかは不明。

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ここは外国人が滝観光で来るような場所ではなく、あくまでも地元の人たちの遊泳場のように感じた。

モーラミャインから遊びで行くにしても、まずジンジャイッ滝に行くべきで、他に行くところがなくなってから来るくらいのスポットであろう。

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さて、帰路なのだが来た道を戻らず、いちかばちか最短ルートを模索してみた。

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スィンワー滝からパアン方向へ行くには途中にドンタミ川という川があるのだが、この川には橋がない。衛星写真ではナッミャウという村で船着き場らしきものが見えるが細かいところまでは判別できないから実際に行ってみるしかない。

もしそこでドンタミ川を渡河できればパアンまではわずか40km。モーラミャインを経由したらは90km以上あるから半分以下の道のりでパアンへ帰れる。

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とにかくナッミャウ村を目指し、小さな村をいくつもすぎていく。

道はだんだんと狭くなり、しかも交通量がまったくない。

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さらに途中で道路が舗装工事のために通行止めになっていて、泥沼みたいな道を迂回させられて、えらく時間をロス。ナッミャウ村の船着き場についたときには、薄暗くなっているうえに土砂降りの雨。

船着き場から川面まではかなりの落差があり、とてもオートバイを下ろせるような船着き場ではなかった。船着き場にいた人に訊いても、パアンに行くにはモーラミャインに戻れと言われるだけだった。

この近道探しはかえって遠回りになり、かなりの時間を失った上に結局モーラミャイン経由で帰ることになった。

もしかしたらドンタミ川は州境になっているため渡し舟は禁止されているのか? もし機会があれば明るい時間に、もう一度ドンタミ川渡河の可能性を探しに行ってみたいものだ。

(2019年07月21日訪問)