パアン・モーラミャイン街道が、モーラミャイン市街の手前で不自然に折れ曲がっていることをひとつ前の記事で書いた。
その不自然に折れ曲がっている三角形の土地にはモン州の火力発電所がある。その道路で、以前に大型貨物の輸送を見たので、この機会に紹介しておこう。
えらくノロノロと走っているトレーラーがいる。人が早足で歩くくらいのスピードしか出ていない。
荷物はサイロかホッパーの部品みたいだ。発電所に搬入するのだろうか。
なんでノロノロなのかというと、道路の電線を持ち上げながら走っているからなのだ。
トレーラーの両側に係員がいて、車両の前で竹のつっかい棒で電線をめくり上げ、通りすぎると外していく。
ここはパアン・モーラミャイン街道で、日本で言えば3桁国道か、県道の1桁くらいのそれなりに立派な道路なのだが、それでも適当な架線工事が随所にあって電線を持ち上げないと大型貨物が通れない場所があるのだ。
私がかかわっているプロジェクトでも、日本からの物資をコンテナで輸送したが、国道から外れた区間の電線はすべてチェックした。特殊な形状の貨物だけでなく、40フィートや20フィートコンテナであっても電線が問題になる。
もし経路に低い電線がある場合は、ドライバーに加えて、電線持ち上げ係も雇わなければならないというのが、ミャンマーの物流の常識なのだ。
トレーラーの運転席の屋根に、パンタグラフみたいなものが付いている。
もしかしたら感電防止のためのガードではないだろうか。
(2015年04月26日訪問)