富丘八幡神社の桟敷

山の斜面のカーブを利用して造られた観客席。

(香川県土庄町淵崎甲)

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土庄市街地の東のはずれ、富丘八幡神社の参道に来ている。ここにも露天桟敷いがあるというのだ。

露天桟敷については、前回の小豆島訪問のとき池田の桟敷(亀山八幡宮の桟敷)と呼ばれる物件を見ている。

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おお! 中々に大規模。

山の北側斜面のカーブを利用して、お祭り広場を囲むように桟敷が配置されている。

池田の桟敷は直線的で、どちらかというと禿げ山の風情だったのだが、こちらの桟敷には緑が多い。

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例祭が近いため、桟敷の草刈りや清掃が行われていた。

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桟敷が造られたのは江戸後期と考えられ、最も盛んだった戦前には420枚、現在でも360枚があるという。特徴的なのは各区画の前に低い植え込みがあって、ちょうど手すりのようになっていることだ。

池田の桟敷同様、町内の有力な家が区画を所有している。

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通路も複雑に付いていて、階段好きにはたまらない空間だ。

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富丘八幡神社の参道も桟敷の中を通っている。

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屋根を立てるための基礎も常設されている。

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うひぃ~、この階段せますぎない!?

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一部分、屋根の組み立てが始まっていた。

今日は6日で、例祭は10月15日だという。

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幅が90cmくらいしかない席もあり、まるで千枚田を見ているよう。

席がまるで円形スタジアムのように配置されているのがわかる。

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お祭り広場は中学校の校庭と一体になっている。

現在は強引に柵で区切られているが、かつては神社の境内と学校の校庭は不可分に一体化していたのだろう。

この中学校は漫画家・山本崇一朗の母校で、アニメ版『からかい上手の高木さん』の舞台となっている。土庄の町内にはほかにもアニメ版の同作品の背景として登場する場所があり、聖地巡礼ができる。

(2007年10月07日訪問)