浄源坊

札所57番。住宅街にあり境内にはウバメガシの巨樹。

(香川県土庄町淵崎甲)

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土庄の市街地に戻り、中心部のショッピングセンターで昼食に回転寿司を食べた。その足で、ショッピングセンターの近くにあったお寺へと向かった。

小豆島八十八ヶ所霊場の第57番札所、浄源坊だ。住宅街にあり、境内は駐車場になっているが、参拝者がとめる余裕はある。

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境内には県指定天然記念物のウバメガシがある。

ウバメガシは塩分に強く、これまで小豆島では海岸林の潜在植生として何度か紹介している。これは庭木の古木だが、かつてはここも海岸だったのかもしれない。

枝ぶりは横に広がっている。樹齢は300年以上と考えられている。

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浄源坊の本堂。本堂の左にあるのもウバメガシかな?

左半分が本堂で、右半分はたぶん集会場のように使われている。堀越庵などがその例だが、小豆島の無住のお堂の典型的な構造と言っていいだろう。

本堂の前にはまた回向柱と善の綱がある。

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内部は護摩堂のようになっていて、正面が本尊の地蔵菩薩、右側に愛染明王の仏画がある。

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本堂の前には仏足石。

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本堂の左側には一畑薬師堂がある。

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内部には弘法大師、薬師如来、閻魔大王などいくつかの仏像が納められている。

流し台やコンロなどもあるので、中で接待もできるようだ。

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一畑薬師堂の前にはミニ八十八ヶ所石塔。

中央に弘法大師、その周囲に八十八ヶ所の本尊が曼荼羅状に彫り込まれている。

これまで、お砂踏みなどのミニ霊場は、境内や建物の中に造られたものを見てきたが、一枚の板碑の中にすべて収まったものは初めて見たかもしれない。

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その八十八ヶ所石塔の後ろには火の見櫓がある。

四角柱の1面がハシゴになっている構造。

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屋根はなぜか真ん中が抜けていて雨除けの機能を果たしていない。

たくさんの防災用スピーカーが並んでいる。こういうタイプを個人的に「八っちゃん」と呼んでいる。どことなく足を拡げたタコを想像させるからだ。

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火の見櫓の南側は鎮守社。

神社と「老人つどいの部屋」という施設を兼ねている。

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鎮守社側にも参道があった。参道には大きなムク(?)の樹。これは別の神社と考えてもいいかもしれないが、名前はわからなかったので、浄源坊の鎮守社としておく。

近所にもうひとつお寺があるので、ここから歩いて向かう。

(2007年10月07日訪問)