2011年の春。私は徳島を離れて、群馬県に移住することを計画していた。
私は徳島で樋山地という寒村の山家を買おうと思っていたくらいだから、群馬県では似たような条件の下仁田町~南牧村で適した環境があるかどうかを、ゴールデンウイークを使って簡単に見て回ることにしたのだ。
最初に訪れたのは下仁田町の小北野、大北野集落。
山奥の地滑り地形に発生した集落で、それぞれ数戸の家が残っている。写真は大北野集落。
静かで日当たりもよい集落だ。元養蚕農家の建物が、僅かな平地にぎっしりと建っていた。
大北野は行き止まりの場所なので、どこかへ行く途中に通りかかるという場所ではない。
その集落へ登っていく一本道に、山水の水汲み場があった。
地元の住民が通るだけの場所なのに、目立つように整備されている。
岩の間から湧き出ている水を竹の懸け樋でバケツに導いている。
手作りの鉄筋の鳥居と、朽ちかけた竹製の鳥居が目を引く。ちょっと不気味な雰囲気でもある。
名前は名水岩清水。
冷たくておいしい水だった。
近くには「名水」と彫られた石碑と、蟹の御神体。
手作り感がすごい。
大北野の住民が地域をもり立てようとデコレーションしているのだろうか。
2023年のストリートビューを見ると、地形が変わっていてすでに名水は無くなっていた。
土石流危険渓流だったのか、現在は湧水点のすぐ上部にコンクリの擁壁が新たに造られている。
(2011年05月07日訪問)
