しばらく走るとまた沈下橋があった。橋の名前は里川橋。昭和29年に架橋された。
最近損壊したみたいで、改修工事をしている。
高所から撮影しているが、ドローンなどを使ったわけではなくすぐ隣に架橋されている抜水橋の里川大橋の上から撮影しているのだ。
このあたりで四万十川は激しく蛇行している。山間地に生じる蛇行を穿入蛇行といい、川の侵食よりも山の隆起が速い場合に生じる地形なのだが、こうした場所では川に沿った道路は大回りになるため、必要に応じてこまめに架橋する必要がある。
里川橋の南岸から谷に分け入った急傾斜地帯に里川という20~30戸の集落があり、その住民にとってこの橋は重要だったから、かなりちゃんとした抜水橋である里川大橋が架橋されたのだ。
そのため、旧里川橋はもう存在意義がなくなっている。基本的には廃橋でもかまわないにのに修繕をしているのは、四万十川の沈下橋が国指定の重要文化的景観に指定されているからだろう。
他の地域の沈下橋がどんどんなくなっているのを思うとうらやましくはあるが。このわずか1スパンの補修だって家1軒建つくらいの費用はかかってるのじゃないのか。
この場所は川幅が狭く、水の流れが速くなっているところだから増水時に橋桁に掛かる力が大きいのだろう。
橋桁は橋脚の上に載っているだけだから、流木などが引っかかれば持っていかれてしまうのかもしれない。
ちなみに里川橋にはバリケードがあり、車両は通行できなくなっている。完全に飾りの橋なのだ。
(2012年03月20日訪問)