阿川梅の里

「うめぼしの詩」が味わい深い。

(徳島県神山町阿野代次)

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二ノ宮から奥には梅の産地がある。

「阿川梅の里」といい、春にはうめ祭りも行なわれる。

その一角に、「うめぼしの詩」というあまりにも味わい深い歌碑があった。

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二月・三月花ざかり、
うぐひす鳴いた春の日の
たのしいときもゆめのうち。
五月・六月實がなれば、
枝からふるひおとされて、
きんじょの町へ持出され、
何升何合はかり賣。

もとよりすっぱいこのからだ、
しほにつかってからくなり、
しそに染まって赤くなり、

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七月・八月あついころ、
三日三ばんの土用ぼし、
思へばつらいことばかり、
それもよのため、人のため。

しわはよってもわかい氣で、
小さい君らのなかま入、
うんどう會にもついていく。
ましていくさのその時は、
なくなはならぬこのわたし。

明治43年発刊の『尋常小学読本巻五』より

(2004年02月25日訪問)