入間川の最下流に掛かる沈下橋「出丸橋」へ行ってみる。
入間川の橋を下流から数えると、まず国道16号線の「上江橋」、県道51号線で開平橋とひと続きの「入間大橋」があり、出丸橋は3橋目。
でも上江橋と入間大橋は入間川と荒川が並走している区間に掛かっているから、ほとんどの人は「荒川を渡っている」という感覚だと思う。私も上江橋を通るときに「いまから入間川を越えるぞ」なんて思ったことがない。
そういう意味で出丸橋は、入間川に単独で架かる橋としては最初の橋と言ってもいいかもしれない。

出丸橋の「出丸」とは入間川の北岸の地名。
その北岸から橋への道のりを紹介する。
沈下橋は堤防の外側(川の側)で高水時に水没する高さにある橋だ。なので橋へ行くためには堤防を越えなければならない。

まず、堤防を登り、、、

堤防を下り、、、

広い河川敷を進んでいく。「
ここは高水時に水没することを前提とした場所だから、家などもないし、そもそも建築物を建てることが許されない土地だ。建築物が洪水で流されると下流に被害が生じるからだ。

出丸橋の北詰。
幅員は3m強、橋長は7mの小さな橋だ。
道路標識では車幅2m制限となっているが、実際の橋の幅はもう少し余裕があるから、2mを1ミリでも越えたら縁石を擦るというわけではない。ハイエースのワイドボディやアルファードでも通行は可能。
とはいえ、通行量は少ない。対岸の工業団地の通勤者が通るくらいではないか。

欄干はかなりしっかりしていて、ワイヤーが張られている。分解できるかどうかでいえば、分解できないことはないというレベル。
現実には悪天候の中での作業は無理だろう。

つまり沈下する橋としての工夫があまりない。損壊したらそれまでという橋だ。
もしかすると元々は欄干がない橋だったかもしれない。四国などではこのくらいの規模で欄干のない橋は普通にある。でももう関東地方ではこれで欄干なしというのはむずかしそう。

川面を見ると流木が引っかかっている。
入間川は流域が広く支流も多い。上流地域は山間地なので増水時に流木が流れることも多いだろう。もし水が橋げたの高さまで来たら、たくさんのゴミが引っかかって橋が損壊する可能性は高いと思う。
それでも欄干なしの沈下橋で転落事故が起きたときのコストを考えると、行政としては橋を架け直すほうがマシなのだろう。

橋の上から見た上流の風景。

下流の風景。
人間によって直線化された人工的な川の姿。なんだか心がゾワゾワする。

橋の南詰めからの様子。
(2022年11月06日訪問)