
葛川だ。埼玉県民でも葛川がどんな川かあまりイメージできないのではないか。
わかりやすく言えば、高麗川と越辺川に挟まれた土地の水を集めて流れる川といえる。

合流地には屈強な水門がある。
越辺川、もしくは、高麗川が増水したとき支流側に水が逆流しないように造られたものだ。

水門を閉め切った場合、葛川の水は排出できない。その構造は九十九川水門と似ている。
小さな調整池があるが気休め程度にしかならないだろう。
水門を閉めていられる時間は30分程度だという。それを過ぎれば葛川の水があふれる。

葛川の上流部には放水路があって余水を高麗川に排出できるようになっているが、結局、2019年の台風19号ではこの合流地の股の部分に水があふれて床上浸水の被害が発生した。
もっとも、もし放水路がなければもっとひどい被害になっていたかもしれないけれど。

たとえこの場所に排水機場を造ったとしても、台風19号のようなケースでは水を捨てるべき越辺川や高麗川がいっぱいいっぱいなので、どうすることもできない。
よって葛川の下流部では冠水する可能性のある低地に家を建てないようにするか、主屋をかさ上げして冠水しても被害を最小限にするしかないだろうと思う。
(2022年12月08日訪問)