秋田市へ移動する途中、ちょっと寄り道をすることにした。赤田大仏である。
「全高9mの大仏で、重層の大仏殿に納められている。」なんて言われたら、いやが上にも期待が高まってしまう。この寺にくるのは2回目。特徴的な寺なのでさすがにはっきり覚えているので絶対立ち寄るべきスポットではなかったが、今回の旅は2階、3階の仏堂に重点を置いて巡っていくので、一応、覗いていくことにした。
本荘市郊外、谷あいの田舎道を進んでいくと、赤田大仏の参道の入り口に着く。
参道は杉林が続いていて、なかなかいい雰囲気だ。
到着したのが遅い時刻だったので堂も閉まっており、写真もあまり撮れなかったから、前回の訪問のときの様子を紹介しよう。
1991年の秋多方面の旅。
今回とは逆に秋田方面から新潟方面へ向けて移動している途中でこの寺に立ち寄った。
こちらは本堂。
巨大な大仏殿は本堂の横のすごくわかりやすい場所にある。
しかも2層には欄干が巡っており桟唐戸の開口部があるではないか。
うまくすれば2階があるか、悪くても開口部を開いて大仏の顔が拝めるという仕組みがありそうだ。
あのときの興奮は今でも忘れられない。
私は大仏殿に飛び込むと狂ったように2階へと登る階段を探した。
しかしいくら探せど、階段や梯子を見つけることはできなかった。
写真をよく見ればわかるが、2階部分の欄干の高さが妙に低い。ダミーなのだ。
それでも1階の小屋組みの中にメンテナンス用の通路があるのではないかとか、壁が二重になっていて隠し階段があるのではないかとか疑って、30分くらい探したものであった‥‥。
怪しいのはこのハシゴ。もしかして天井裏へ行ける? だとしても化粧屋根裏みたいな造りだから傾斜もあり内部の移動はかなり大変なのじゃないか。
堂内の大仏は立派なものだが十一面観音なので、どうも大仏という名前にはしっくり来ない。「大観音」と呼ぶのがふさわしいような気がする。
鎌倉の長谷寺の観音と形といい大きさといい同じくらいの観音である。
光背に無数の小さな観音像が並んでいる。
2層の部分には、大観音の顔出し用の窓がある。
大仏殿マニアとしてはこれをもってヨシとしよう。
堂内で見かけた山の神。
(1999年08月23日訪問)