神岡町大字神宮寺という集落に宝蔵寺という寺がある。ある本によればその境内に千体の地蔵を納めた堂があるいうので行ってみた。寺はあったがそれらしき堂は見つからなかった。
それで、代わりといってはなんだが、その宝蔵寺の門前にあったのがこの洋館。
街道に面していて、事務所として最近まで使われていた感じがある。近くにある酒造メーカーの事務所であったか。
洋館というものは完璧な西洋建築であってはいけない。いわゆる「擬洋風」という様式は、日本建築の大工が伝聞と想像を元に自分なりに「これが西洋だ」というイメージを具現化したものなのだ。その点でこの洋館はなかなかよい洋館ぶりである。
1階部分は南側と西側が窓になっていて、採光がよく解放感のある設計になっている。埃をかぶった木机に西日が差し込む様子はどこか懐かしい。
(1999年08月24日訪問)