国道4号線を通らずに、二戸市内の旧道を通ると、市内にやたらハデな寺があるのを見つけることができる。成田山護国殿である。
赤いぼんぼりが続いていて、その奥には竜宮門が見える。
これだけのものを見せられては立ち寄らない訳にはいかないだろう。
近くまで行ってみると竜宮門は思いのほか小さいことがわかる。2階部分はとても人間が入れる大きさではなく単なる飾りだ。しかも厚みがない。よって、私はこの門を竜宮型棟門と認定したい。
普通の竜宮門は一間一戸楼門か三間一戸楼門の一種だと分類できるのだが、この門は、棟門(二本の柱で立つの門)の柱の部分がが塗籠になったものと分類するのが妥当だろう。ちょっと他では見たことがない。
本堂も破風が黄色くぬられていて、一応エキゾチックなコンセプトの統一が計られている。
この成田山護国殿は正式には福安講社というそうだ。隣には八幡宮が合祀されていて、そちらも戦の神様だから、あわせて一大戦勝祈願ゾーンとなっているのだろう。
本堂の裏側には不思議な階段のようなものがついている。
そして階段を上ったところはいきなり空き地になっている。ここには鐘楼の礎石、本堂の礎石が残っている。かつてはここに本堂があって焼失したのだろう。
今は三十三観音のミニ霊場と、大日如来立体曼陀羅がある。
入口付近には水盤舎と灯籠。竿には護国殿の名前が刻まれていて、背面には紀元2600年奉祝記念と書かれていた。上の赤い輪宝のところに明かりがつくようになっている。
護国殿と八幡神社の間で見かけた二宮尊徳。
なんだか、紀元2600年で時間が止まってしまったような寺だった。
(2000年10月04日訪問)