高砂は「たかさご」と読む。高砂市は祝宴の席で“たかさごや~"と唄われる謡曲の舞台である。
謡曲の原形は世阿弥作の能で、物語は肥後国の神主が都に上る途中、この付近で休んでいると老人夫婦が現われ相生の松のいわれを語るというもの。(これで物語って言われても困るが‥‥。ちなみに私はこんな能みたら3分で寝てしまう。)
なにはともあれその相生の松があるのが高砂市であり、この高砂神社なのである。
神社は市街地にあり、今でこそ海浜地帯は工場が連なっているが、かつては海辺に近い場所だっただろうと想像できる。
入口には大きな四脚門になっている。
境内図。
字が小さいので補足すると、入口の表門から時計回りに、手水舎、手洗井覆、和魂神社、琴平神社、猿田彦社、秋葉社、神馬厩、天満社、淡島社、西門、御祓納所、神輿庫、榎神社、中門、裏門、社務所、稲荷社、神明社、住吉社、尉姥神社、五代目相生松、高砂神社会館、三代目相生松保存屋、能舞台、愛宕社、神木いぶき、便所。
とても社殿が多い。
この図では文字が記入してないが、表門を入って左側の白い四角形は相撲の土俵。右側の瓢箪型のものは池で弁天社がある。
和魂神社(手前)と、琴平神社(奥、見にくいが)。
和魂の読みは「にきたま」もしくは「にきみたま」か?
神明造りの感じからすると「わこん」(=やまとだましい)かもしれないが‥‥。
手前から、猿田彦社、秋葉社、神馬厩。末社が密集しているエリアだ。
境内の左奥には、妙にうす暗い一角があり、鳥居が続いている。奥にあったのは、榎神社だ。
奥にあったのは、榎神社だ。
高砂神社の末社のなかでは、一番雰囲気が良いし、いろいろ奉納されていて庶民的な感じの神社である。
中門(手前)と裏門(奥)。
門と門の間には黒松の並木があって、いかにも神社らしいたたずまいをみせている。
尉姥神社。境内の右奥にある。
尉(じょう)と姥(うば)は相生の松に宿るとされる2神の名前である。
三代目相生松保存屋。
三代目は国指定天然記念物だったが枯死し、この覆屋の中にある。
現在の松は五代目だそうだ。
これが三代目相生の松。
会館の前には、能舞台があった。吹きさらしで結構荒れている感じがする。
最後になってしまったが、拝殿。
と、本殿。
本殿は入母屋造で千木・堅魚木を載せる。屋根の葺き方はこけら葺という、木の薄板を敷き詰めた高級な葺き方である。
(2001年04月29日訪問)