高砂市の市街を少し歩いてみた。歴史的景観があるというわけではないが、うらぶれた、しょんぼりした雰囲気が気になったからだ。
高砂市の旧市街は、加古川方面から来る東西に走る通りと、商店街の南北の通りからなる。
東西の通りは、袖卯建を上げたしもた屋が残っていて、古い商店街(江戸~明治くらいか?)ではないかと思わせる町並みである。
南北の通りは本町商店街といって、アーチ看板もあるが、御世辞にも繁盛している商店街とは言い難い。
私はこのようなゲートに興味があって、これはかつて日本の古い集落の出入り口にあった
現在は市の北部にできた大型スーパーにすっかり客をとられてしまったらしく、旧市街は寂れているが、いくつかのアーチ看板やアーケードがあって、かつて栄えた時代の雰囲気がいまでも感じられる。
このアーチ看板など、ネオン管が付いていて、これが「ジージー」音を立てて光っている様を想像するだけでも楽しくなってくるではないか。
もっとも商店街はこんな感じ。
近所の人が買い物にくるくらいだ。
そのアーケードの出口。
と、いうよりこちらが入口だったか?
あとで触れるが、アーケードのこちら側にはかつてJR高砂線の高砂駅があったのだから。
すこし離れたところに別のアーケード「高砂銀座センター街」というアーチ看板も見かけた。
こちらのアーケードもうす暗くて繁栄状態とは言えないのだが、それでも客足はけっこうあって、庶民的な雰囲気のお店がそれなりに営業を続けていた。
本町商店街アーチ看板付近で見かけた古典復古様式の建物。おそらく旧銀行で、現在は商工会議所として使われているという、よくあるパターン。
建物自体は古典復古様式の典型的な外観で、取り立てて意匠に凝っているというほどでもない。ちなみに日本でこの種の様式が流行したのは大正~戦前である。
よってこの本町商店街が本当に栄えたのは戦前のことなのかもしれない。
この商工会議所の建物は、横から見るとウナギの寝床のように奥に細長い作りになっていた。それはちょっと珍しい。
同じく本町通りで見かけた街路灯のポール。
この種のポールはたまに古い町で見かけるが、詳しい解説などを見たことがない。戦前のものだとは思うが。
高砂神社付近の裏通りで見かけたれんが造りの倉庫。まるで教会のような立派な造りの倉庫である。
れんが造りの建物は頑丈なので取り壊すのにもコストがかかる。それがこの倉庫が今日までのこった唯一の理由かもしれない。
(2001年04月29日訪問)