寺町めぐり6ヶ所目の訪問地、天寧寺。
国道2号からはちょっと引っ込んだ、民家の中にある。
山門は一間一戸の竜宮門。(写真が見にくくて申し訳ない)登ることが出来る。
門を入ってすぐ右側には烏枢沙摩明王堂、鎮守社、左側に水盤舎がある。
本堂は唐破風向拝付き。
本堂の右側には庫裏がある。煙出しのついた本格的な庫裏だ。
本堂の左側には五百羅漢堂。比較的新しい建物だ。
外形は見る人が見たら“いかにも五百羅漢堂でございます"という感じだ。もっとも五百羅漢堂という建築様式があるわけではない。何の手本もないところから、これほどまでに適切に記号化された建物を建てる宮大工のセンスはすごいと思う。
ただし内部はいただけない。
天井まで届くような巨大な雛壇に羅漢像が並んでいるだけで、巡拝する楽しみというものがない。空間としては合理的にすぎる。倉庫のような印象。
ところで天寧寺といえば彦根にも天寧寺という寺があり、やはり五百羅漢があるが関係あるのだろうか。
寺の裏山には三重塔があるので自転車で移動。坂というよりはむしろ石段にちかいような路地を思いっきり立ち漕ぎで登っていく。
電動アシスト自転車は荷重がかかったときだけ動力をアシストし、荷重が抜けるとサポートをやめてしまう、だから立ち漕ぎには向いていない。動力が入ったり切れたりするので急坂で思いっきり踏み込むとウイリーしてしまうのだ。
三重塔は国重文。屋根の出も勾配もまずまずなのに全体的には太くて鈍重な感じを受ける。
まるで五重塔の途中の階をダルマ落としみたいに抜いたみたいな変な塔だ。
あとで調べてみたらやはり元々は五重塔だったらしい。上層が腐ったので江戸時代の初期に三重塔に作り替えられたのだそうだ。
三重塔の遠景。塔の外形は五重塔だと思って見ればかなり美しい。左下に見えるのが天寧寺の本堂だ。
何でこんなところまで自転車を押し上げたかというと、この次に目指していた千光寺がさらにこの山の上にあったからだ。どこかに千光寺に上がる道があるだろうと踏んでいたのである。
ところが三重塔から先は石段になっていて自転車で進めるような道ではなかった。どんな山寺にもその寺の住人が使う車道(最悪の場合でもモノレール)があるものだ。だがこの三重塔からの参道はそういう用途に使われている気配はない。
ここで千光寺へ自転車で上がるのはあきらめて次の寺へと向かう。下写真右上に見える伽藍が千光寺。
(2001年05月03日訪問)