曹洞宗、向上寺。
丘の上に三重塔の3層が見えている。写真は耕三寺境内の「未来の心の丘」から写したものだ。
万徳寺方面から来ると、石段をのぼったところに山門がある。朱塗りの四脚門だ。
拝観料は100円。
山門の前には観音堂。
山門をくぐって参道を登りきると、だだっ広い空き地になっている。本堂は明治6年に焼失し、三原の寺の解体で出た古材で仮本堂を建てたがそれも老朽化したため取り壊されたそうだ。本堂再建のための志納金を募っていた。
鐘堂と庫裏が残っていた。
さらに裏山に登ると朱塗りの三重塔がある。
室町中期の建築で国宝。禅宗の三重塔としては古いものだというのが国宝の指定理由らしい。
意匠は和様唐様の折衷様式。
1階の窓は純和様であれば連子窓であるべきところだが、花頭窓になっている辺りが典型的な禅宗の要素だ。
1階の軒は2軒本繁垂木の扇垂木。つまり2重になっている繁垂木で、垂木が平行ではなく隅の部分で45度になるよう、扇がひらいたようになっている。普通は3層が扇垂木で、1-2層は平行垂木というのが多いのだが、この塔は逆だ。
組み物は唐様の3手先。つまり柱上の組み物が3段に積み上げている構造だ。
1階は全体的に唐様が強く出ていて、唐様意匠のデパートといった様相を見せている。
裏山は八十八カ所ミニ霊場になっていた。
(2001年05月03日訪問)