府中市行縢(むかばき)町の“むかばき"とは、昔の乗馬や狩猟のときに脚を覆った衣装のこと。歴史を感じさせる地名だ。
その行縢町を通っていたら、大魔羅神社入口という看板が目に付いたので立ち寄ることにした。
神社は県道からはずれた谷あいにあった。
入口にあった立ち木の男根の彫り物。巻き付いた龍までが一木から掘り出されている逸品。
江戸時代にはこの地に石で出来た男根があり、庄屋の娘が淋病を患ったときに祈願したところ平癒したので社を勧請したという。石の男根は明治時代に淫祠邪教の取り締まりにより姿を隠されたのだという。
いままた大魔羅様をおおっぴらに祀れる時代が半世紀ほど続いている。こういう時代がいつまでも続くことを祈るのみだ。
社は平成九年に作り替えられた新しいもの。周囲の石垣などもそのときに整備されたのだろう。
下の病、子供のおねしょ、子授けに御利益があるという。なんともストレートな‥‥。
“マラ"とはもともとは仏教の修行の妨害をする悪魔の意味。それが修行僧の隠語として男根を指すようになり、いまでは一派的にも“マラ"といえば男根の隠語である。
ところでこうした男根はヌルデの木を削って作ると言われているが、ヌルデってあの触るとかぶれると言われているあのヌルデの事なのだろうか?
社の下にも古い男根がたくさん奉納されていた。
(2001年05月04日訪問)