群馬に帰省して最初の日。弟が長野県臼田町の最勝洞という洞窟を見に行こうと言い出した。場所はそう遠くはないのだが、あまりたいそうな洞窟でもなさそうなのでそれだけでは中々腰が上がらない。じゃあついでに下仁田付近で水車小屋でも探そうということにして、3時過ぎから出かけることにした。
道々、「最低一軒は水車小屋を見つけるぞ。」などと軽口をたたきながら下仁田へ向かう。もちろん確信があったわけではなく、単に今まで下仁田方面で真剣に水車探しをしたことがなかったので、その気になって探せば見つかるんじゃないか、という程度の気持ちだ。
上信越自動車道を使えば下仁田はすぐである。下仁田の街を過ぎると、白石工業という石灰の鉱山があって弟がそこの乾燥小屋を見たことがないというので寄り道することにした。
ところが、鉱山へ向かう脇道に入っていくらも進まないうちに、早くも水車小屋を発見!
車道の川を挟んで谷の反対側の川原に建っている。車を運転しながらどうしてこれが見つかるのか、自分でも本当に不思議だ。さすがに弟も呆れる。
とにかくこれで、今日の目的の半分は達成できたわけだ。
小屋はかなり大きなもので、木製の水輪が朽ちかけていた。水輪の直径は4mくらいだろうか。
石垣の部分が水路になっていて、下掛けでまわっていたのだろう。この水輪を下掛けで廻すためには、川の水量の半分くらいを水路に流す必要があったのではないか。
石垣をたどってみる。
70~80mくらい上流で水路は途切れていた。使わなくなってから大水で崩れてしまったのだろう。
水路はもっと上流からずっと続いていたようで、もしかしたら他にも水車があったのかもしれない。
水車の用途はコンニャクの製粉ではないかと思う。下仁田町はコンニャクの産地なのだ。
水車小屋の近くには専業の蒟蒻問屋があった。
(2002年05月03日訪問)