五郎城の迎え火

田んぼの畔に立てた高坏で燃える迎え火。

(岩手県花巻市湯本第5地割)

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紫波町で老人に聞いたハデな高灯籠を探して花巻市へ来てみたが、残念ながらそれらしきものは見つからなかった。

とりあえず花巻空港の近くでビジネスホテルを見つけ、チェックインを済ませたあと、食事と温泉を求めて外出した。

そのとき花巻温泉へ向かう道の五郎城という付近で見かけた迎え火。

迎え火も基本的な機能は高灯籠と同じ。ご先祖様や精霊を迎えるための合図である。

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道路がまっ白になるほど煙が巻いていたのでなにかと思ったら、道端の田んぼの畔のようなところに写真のような三本足の高坏のような皿の上から煙が出ていたのである。

まだ火が燃えているので、迎え火を炊いてからそんなに時間が経っていないのだろう。

迎え火を炊いているところはたまに見かけるが、火が燃えているのはわずかな時間で、それを写真に納めるチャンスはなかなかない。

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時刻は正確には覚えていないが、8時をまわったかなり遅い時間だったように思う。このあたりでは遅い時間に迎え火をするのか、それとも何度も火を灯すのか、謎が残る。

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こうしてストロボをたいてしまうと味もそっけもないのだが、田んぼのなかでチロチロと火が燃えるのはとても情緒のある風景だ。写真で伝えられるものではないのが残念。

このあと、温泉の立ち寄り湯でのんびりして花巻市内で夕食をとり、宿に帰ってあらためて明日の予定を立てる。実は本来のスケジュールでは初日は紫波町からスタートして北上川沿いを南下するという計画だった。ところが途中で仮眠したり寄り道したりしていたせいで紫波町では1寺2社を見ただけである。しかも神社を見たときはもう暗くなっていて、よくわからなかったというのが実態だ。

そこで、1日目は最初から無かったことにして、仕切り直して本来のスタート地点から本来のスケジュールで旅をはじめることにした。明日からがいよいよ本当の“花巻・石巻"の旅のはじまりなのである。

(2001年08月11日訪問)

日本のお寺・神社 絶壁建築めぐり

単行本(ソフトカバー) – 2019/6/22
飯沼義弥 (著), 渋谷申博 (監修)
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