円万寺

参道に巨大なコンクリ鳥居がある。境内からの眺望がみごと。

(岩手県花巻市膝立観音山)

写真

円万寺。花巻温泉から3kmほど南にいった山頂にある寺。

県道を走っていると、大きな鳥居があるので入口はすぐわかる。

円万寺のある山全体を「観音山」と言うらしい。寺なのに鳥居があるというのももはや当然のように思えてくる。

写真

山頂までは車で上がることができる。

円万寺は坂上田村麻呂が馬頭観音を勧請したのが起源とされる。もっともこのあたりの主だった寺は、たいてい坂上田村麻呂を開基とする伝説があるようだが・・・。

境内は八坂神社ゾーン(写真の右半分)と、観音堂ゾーン(写真の左半分)にわかれている。

写真

八坂神社。

明治5年、廃仏毀釈のため寺としての円万寺は一時的に山麓に移し、山頂部を八坂神社とした。明治41年、ほとぼりが冷めたので、再び山頂部を神仏混淆の寺に戻したのだという。八坂神社はそのまま山頂に残っている。

ここは八坂神社までふくめて全体を円万寺と捉えるべきであろう。

写真

観音堂。円万寺の本堂(?)でもある。

写真

観音堂の内部の様子。

写真

その左側には阿弥陀堂。

写真

境内の一角には、一燈庵という草庵がある。

ここに、戦時中に多田等観(ただとうかん)という人が疎開してたのだという。百科事典によれば等観はチベットでラマ僧として修行し、日本にチベット仏教の経典を持ち帰った人ということだが、有名な人なのだろうか?

この草庵は村人が等観のために建てたのだという。

写真

阿弥陀堂の西側には鐘堂と民俗資料館がある。

写真

神楽殿。

写真

本来の参道からは花巻の郊外の田園地帯が一望できる。

写真

屋敷森が点々と散らばっている。家と家が接さず、周囲が耕作地になっているいわゆる散居(さんきょ)という形式の集落だ。

(2001年08月12日訪問)

図解/古建築入門: 日本建築はどう造られているか

単行本 – 1990/11/1
西 和夫 (著)

amazon.co.jp

寺院建築の架構が最も理解しやすく書かれている本だと思います。