臨済宗浄福寺。本吉町市街地の南のはずれにある寺。
町の北にあった峯仙寺、西にあった浄勝寺と、この南の浄福寺の3ヶ寺で本吉町の市街地は三方から囲まれている。(東は海だ。)この3ヶ寺で本吉町の市街地にある寺はすべて見たことになる。よほどのことがなければもういちど本吉町内を訪れることはないだろう‥‥。
この寺の背後は低い丘である。裏手のほうから来る道は杉林のなかを通ってくるので、良い寺がありそうな期待をさせる風情なのだが、浄福寺の境内のあたりにくるととつぜん景色がひらけて殺風景になる。
寺の境内がかつては杉林だったのかもしれないという名残が参道入口にぽつんと残された2本の杉である。
境内は、本堂、庫裏のみ。本堂の作りは先ほど見た浄勝寺と酷似している。
同じ大工の手によるものだろう。
本堂の前には殺風景なまわり場。
境内にはほかに庫裏。
案内板の説明によれば、この寺は佐藤継信・忠信兄弟を弔うために建てられたのだという。先ほど見た浄勝寺にも同じような由緒があった。
佐藤兄弟は源義経の忠臣で、頼朝の軍勢と戦って討ち死にしたのだという。
(2001年08月14日訪問)