どこかに、ふらっと入れる居酒屋か寿司屋みたいなのはないかなと、香川県の海岸線を走っていた。
すると道ばたに古い自販機があった。
あまり見かけないNITTOHの機械。
日東紅茶などを販売している、三井農林(株)の飲料ブランドだ。
ベンダーは「富士カンベンダ」。
ベンダーとは自販機を設置したり管理したりする会社。
機械のメーカーは富士電機(株)で、機械の型式はKP231 SPBX-iSA。
ボタン数は9。
自販機を見るとき、飲料、ベンダー、機械の3つのブランドが関係するのだけど、個人的には主役はベンダーだと思っている。
つまりこの自販機は富士カンベンダの仕事として見たい。これまで、ベンダーとして「ベンハー」、「VIVO」の自販機を紹介してきたが、「富士カンベンダ」は初出となる。
富士カンベンダがどのような会社だったのかは、ようとして知れない。ただ名前からして、富士電機の関連会社だった可能性がある。
ちなみに定価は100円。ここのところ紹介している廃自販機の価格はだいたい100円なので、平成4年(1992)の110円への値上げに対応できなかった機種が、廃自販機になったのかもしれない。
フロントパネルは小窓で4分割されていて、そのうち商品は3つの小窓に納まっている。パネル部分の効率が悪そう。
フロントパネルの4つ目の小窓はゲームパネルになっている。おそらくルールは、2つのルーレット(円環に並んだ10個のLELD)をそれぞれ止めて、2つとも円環の交点で止めれば当たるというものだったろう。
円環のLEDは各10個だから、でたらめに押した場合でも1/100の確率で当たることになる。目押しすればさらに確率が高くなりそうだが、そんなに当たるハズがなく、おそらくボタンに関係なく当選率は相当低く押さえられていたと思う。
取り扱い商品はすべてキリン製。
残っている缶にNITTOH商品はなかった。
キリンレモンのアルミ缶がなぜか裂けている。フロントパネルは破られていないので、缶の経年劣化で破裂した? そんなことってあるのだろうか。
2021年現在、この販売機はもう撤去されてしまっている。
(2007年12月01日訪問)