市の中心部に社屋が建ち並び、醸造業の町の景観を作り出している。
これは旧中埜銀行のビルで大正13年の建築。現在はミツカン中央研究所として使われている。
意匠はネオルネッサンス様式。
一階には御影石の美しいアーチがある。贅を尽くした建築である。
外見は古めかしいが内部は完全に改造され、先端のバイオテクノロジーの研究が行われているという。
付近の工場群も昔ながらの黒塗りの蔵造り。まるで時間が止まってしまったような風景だ。
蔵はいずれも伝統的な木造建築だが、実は内部は最新鋭の生産設備を持つ工場で、現在も稼働している。
電柱、配管などをあえて取り除き、旧観を再現しているのだ。普通の企業では考えられないことである。
博物館酢の里。
この蔵の建ち並ぶ風景こそ、半田市を代表する景観なのだろうが、あまりにも完璧すぎて、息が詰まりそうだ。気安く散歩しようという気持ちにはなれそうもない。
丸ポストがいまでも使われていた。これも会社の趣味で置いてあるのだろう。
(2001年11月25日訪問)