中埜酢店社屋

現研究所は大正13年築のもと中埜銀行ビル。

(愛知県半田市中村町2丁目)

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中埜酢店(なかのすみせ)。わかりやすく言えば「ミツカン」である。醸造食品のトップブランドであり、年商1500億、無借金経営の超優良企業でありながら株式非公開。社長は世襲制で代々又左衛門を名乗るという、まさに現代に残った大名といった存在。半田市は名実ともに中埜酢店の城下町といってもいいのだろう。

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市の中心部に社屋が建ち並び、醸造業の町の景観を作り出している。

これは旧中埜銀行のビルで大正13年の建築。現在はミツカン中央研究所として使われている。

意匠はネオルネッサンス様式。

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一階には御影石の美しいアーチがある。贅を尽くした建築である。

外見は古めかしいが内部は完全に改造され、先端のバイオテクノロジーの研究が行われているという。

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付近の工場群も昔ながらの黒塗りの蔵造り。まるで時間が止まってしまったような風景だ。

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蔵はいずれも伝統的な木造建築だが、実は内部は最新鋭の生産設備を持つ工場で、現在も稼働している。

電柱、配管などをあえて取り除き、旧観を再現しているのだ。普通の企業では考えられないことである。

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博物館酢の里。

この蔵の建ち並ぶ風景こそ、半田市を代表する景観なのだろうが、あまりにも完璧すぎて、息が詰まりそうだ。気安く散歩しようという気持ちにはなれそうもない。

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丸ポストがいまでも使われていた。これも会社の趣味で置いてあるのだろう。

(2001年11月25日訪問)

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