柏倉稚蚕共同飼育所。この日の稚蚕共同飼育所巡りで訪れた飼育所のなかで、唯一、過去に訪れたことのある飼育所である。前橋市街までちょっと遠回りする途中で近くまで来たことに気付いたので、立ち寄ることにした。
赤城山は外周を一回りできる独立峰である。車で一回りするドライブは前橋あたりから出かける半日のドライブにはちょうどよい距離だ。私も比較的最近、時計回りに一回りしたことがあったのだが、渡良瀬川上神梅方面から前橋市街へ間道を乗り継ぐと、左写真の突き当たりに出るのだ。
T字路の突き当たりにでかでかと飼育所の看板が出ているので、いくらなんでもこれは気付くだろう。
外見の特徴から、電床式の飼育所と思われるが、戸締まりが厳重で内部の様子はまったくわからなかった。
南側が配蚕口、北側は桑の搬入口と思われる戸口がある。
建物の北側には、増築したようなスペースがあった。屋根は抜けているがここが更衣室だったのではないだろうか。
この飼育所は、かなり交通量のある県道に面していて、空いた土地がない。
直線型の飼育所に更衣室が増築される場合、建物の横に増築されるのが一般的だが、側面には増築の余裕がないため、妻側に増築したのではないかと考えられる。
消毒槽の横がすぐ県道だ。
このように駐車スペースがまったく確保できないので、飼育所として使われていた時代にも、桑葉の搬入や配蚕の際には支障があったと思われる。
もちろん、集果場、倉庫、工場、公民館のいずれにに転用するにもきわめて使い勝手が悪いはずで、おそらく飼育所が廃止された後、何にも転用されていないであろう。もしかすると、内部は往時のまま残っているかもしれない。
この日はこのまま赤城山のすそ野を通って前橋市街地へ戻り、原嶋屋で焼きまんじゅうを買って帰った。焼きまんじゅうは群馬県の郷土食で、甘辛の味噌だれをぬって焙った素まんじゅうである。特に、原嶋屋のそれは、前橋市民のソウルフードとも言える味覚で、前橋に行くときの楽しみの一つなのである。
(2007年02月12日訪問)