富田中央稚蚕共同飼育所。
二連並列大型タイプとしては3件目の例になる。それぞれ微妙に意匠はことなるが、出入口の構造は高松稚蚕共同飼育所と同じタイプだ。すなわち、通常の電床育の飼育所を横に並べて大屋根をかけた配置。
貯桑場は西側で、県道に面している。
建物が東西の場合、貯桑場は西側きが多いように感じる。建物が南北の場合は、貯桑場は南側が多いようだ。
現在は倉庫になっている。
小屋組みは木造なので、中央部分にムロが残っていて、あまり大きな荷物は収納できないのではないかと想像される。
そもそもブロック電床育型の飼育所は、ムロと建物の構造を一体化することで構造を単純化し建設コストを抑える目的で考案された方式だからだ。
桑の搬入口と思われる。
倉庫になっているとはいえ、外部の様子はあまり変化していない。
その横の小屋のような部分にタタキがあるので、ここももともと小屋だったのだろう。更衣室だったかもしれない。
トイレ。
宿直室側の外部にある。
内部の様子。
トイレは他の出入口から離れたかなり不便な位置に設けられていることになる。
南側には庇があり、パレットなどが置かれている。
このひさしも、元からあったのではないかと感じられた。
換気塔は4基あるが、飼育室ではない宿直室側にも付いているのが珍しい。
近くで見かけた赤城型農家。
この屋敷林はいまでも季節風をよけるのに十分な機能を持っていることだろう。大ケヤキがすばらしい。
群馬県の赤城南面の民家を評価するときには、屋敷林と一体の評価が必要であり、民家園などで吹きさらしの場所に建物だけを移築したのでは、その本来の姿は伝わらない。
(2007年02月13日訪問)