稚蚕飼育所巡りをするときには、古い住宅地図で場所を調べて、1/25,000地形図にプロットしておく。だが、住宅地図の街路と地形図が食い違っていたり、道が変わっていたりで容易にはたどりつけない。
特に、建物が無くなっている場合は「存在しないこと」を確認しなければならず、実存するものを探すのよりも格段にむずかしくなる。
東国分稚蚕飼育所は、存在するのかしないのか、あいまいな結論しか出なかった。
地図が指すエリアで飼育所として使えそうな建物は唯一左写真のもの。
窓がないモルタルの建物だが、これといった特徴もなく、今まで見てきたなかではこうした飼育所はなかった。あえて近い物件をあげるならば、前橋の小神明稚蚕飼育所だが、これはいまひとつ判じかねる。
そう思いながら進んでいくと、横に蚕箔の消毒槽があった。
どうやらここに稚蚕飼育所があったことは間違いなさそうだ。個人経営の飼育所だったのかもしれない。
なお、この飼育所跡の南側は、上野国国分寺跡になっている。
復元された講堂の基壇が見える。
子供のころ、こんなに整備される前は、よく瓦のカケラなど拾いにきたものだ。(あ、もちろん手に取っただけですよ、手に取っただけ。)
(2007年05月03日訪問)