西組の飼育所から直線距離でわずか 100 m 足らずの場所に中組の飼育所がある。野殿中組稚蚕共同飼育所だ。
丘の上に新旧の2棟の建物が残っている。左側に見える越屋根が載っている木造の建物が旧飼育所、右側の木造モルタルの建物が新飼育所ではないかと思う。
建物の壁には「野殿中組飼育所」と書かれている。
写真のように2階から入るようになっているが、トマソン風の引き戸も付いていて、この建物がどう使われてたかは謎が多い。
戸は新しく付け替えられているので、誰かが買い取って倉庫にでもしているのだろう。
2階部分が飼育室、1階が貯桑室だったと推測されるが、それにしては2階が狭い。
また換気扇などの通気があまりにも不十分な感じで、ここで飼育ができたのかはかなり疑問が残る。
西側にもトマソン風の引き戸。出入りがしにくそうだ。
北側には一つだけ換気扇が付いている。
一周りしてみても1階部分には出入口がない。2階から桑を入れたのだろうか。かなり不合理な構造に思える。
通気孔から中を見てみると、倉庫のようになっていたが、特徴から見てここは貯桑室と考えていいと思う。
謎の多い飼育所だ。
(2008年05月02日訪問)