野殿西組の飼育所にあるもう一つの建物。
越屋根を載せた古いタイプの稚蚕飼育所だ。飼育室の上には窓が並んでいて、非常に採光面積が広い。
これまでに見た飼育所では、東大室の飼育所に近い構造で、やや小振りな感じ。土室育時代の飼育所であることが外見からもわかる。
南側から見た様子。
住宅に改造されていたが、いまは空家になっているようだ。丘の上に建っていて、周りに屋敷林などの遮蔽物がないから夏は酷暑、冬は季節風にさらされて酷寒、あまり暮しやすくなかったと思う。
中は少しだけ見えたが、完全に住居に改造されていて、中央に1間の廊下を持った中廊下型の間取りのようだった。稚蚕飼育所の改造方法としては、おあつらえ向きの間取りと言っていいだろう。
土室への換気の土管が残っていた。
床下換気口として機能しているのだろう。
(2008年05月02日訪問)