相水は細い谷戸に沿った集落で、道は谷の奥で行き止まりになっている。飼育所巡りをしなければ、まず通ることのない道だろう。
相水の公民館の横に、小奇麗な飼育所が残っていた。
建物はほとんど傷んだ気配はなくてしっかりしている。
奥側に高窓が2つあるので、片側2室、合計4室のブロック電床育飼育所だとわかる。
駐車スペースに桑の投込口がある。軽トラを乗りつけたら、まったく歩かずにに桑を投げ込めそうだ。
上部には戸があるが中は宿直室になっているようだ。この戸の先がもし通路だったら、除沙(じょさ:蚕の食べ残しや糞などを掃除する作業)で出たゴミを捨てに行ったり、蚕箔を洗いに行ったりするとき、軽トラの荷台に積みやすかったろうと思うのだが。
茶色のドアの中がトイレだろう。
反対側には青いドアがあるが、そこは更衣室かもしれない。
ちょっとだけ中をのぞかせてもらった。
飼育が終わったあともきれいに整頓されている。
貯桑場から桑を運び上げるためのリフトがあった。リフトの横にはすぐ挫桑機がある。狭いながらもよく動線を考えてある設計だ。
挫桑場は土間ではなく、最小面積の床が張ってあるが、なぜ挫桑場には床が必要なのだろう。これはいまのところ謎だ。
(2008年05月02日訪問)