碓氷方面の稚蚕飼育所巡り、2日目は友人と二人で出かけた。
きのうの最後のレポートで紹介した中山道の杉並木付近で飼育所を探すも見つからず、原市宿西のはずれの郷原まで移動。
最初にみつけた飼育所は、注意していたら国道18号線からも見える場所にあった。(左写真)
とはいえ、周囲が樹で覆われているので、車で走りながらこれを見つけるのは容易ではない。
建物は木造で、越屋根を上げたタイプ。
赤城山麓、榛名山麓ではほとんど残っていなかったのに、碓氷方面では次々に見つかる。そろそろ名前をつけて呼んでもいいかもしれない。「土室育標準型」とでも呼ぼうかと思う。
建物は南北に建っていて、北側は宿直室と挫桑場。
屋根はスレート瓦葺き、小屋は木造トラス、外装は下見板張り。
内部には土室が残っているが、個人の農家の納屋になっていたので、詳細は割愛。
炭火での土室育を行なったと思われる換気の土管が外部から確認できる。木の筒のようなもので栓がしてある。
南側には配蚕口。
配蚕口の横には養蚕火鉢がころがっていた。
土室を加温するのにこの火鉢を使ったという証言があるが、それだと土室下部の四角い穴から炭火を出し入れするのはむずかしそうだ。
敷地内にはもうひとつ養蚕火鉢がころがっていた。灰がこぼれ出ていて内部の様子がよくわかる。
火鉢の底に丸いフタのようなものがあるが、この部分ははずれるように作られている。底がはずせる必要性がいまひとつ理解できず、謎の一つだ。聞いたところでは、火鉢が大きいので焼き物として焼成するときに底に穴がないと割れてしまうため、2パーツで作られているというのだが。
(2008年05月03日訪問)