いま群馬県の碓氷地方から軽井沢へ抜ける峠道は、碓氷峠と入山峠がある。100年のスパンでみたら、時代によって主流となるルートは何度も移り変わってきた。現代の主流は、上信越自動車道だから入山ルート時代の最中といえる。
その入山ルートの旧道を通ってみたら、途中に岩陰遺跡の案内板があった。
岩陰遺跡とは、洞窟の入口のような雨をしのげる場所で古代人が生活した痕跡だ。ここでは、石器や動物の骨が出土しているという。
縄文人が狩りのときのベースキャンプとして滞在した跡ではないかと考えられているようだが、1万年の歴史のなかでは、10年、20年という単位でムラが成立した期間もあったかもしれない。実際、現代でもこの周りには集落があって、人が暮しているのだから、縄文人も容易に居住できただろう。
おそらく長い歴史の中で人間は何度もこの山に住み着いたり、撤退したりしてきたはずだ。
文化財の案内。
断面図を見ると、けっこう深い穴になっている。
(2010年11月23日訪問)