宮本の稚蚕飼育所の横に、小さな泉があることに気付いた。飼育所を案内してくれた田中さんがいうには、この泉は「宮本のロッポースイ(六方水?)」という湧き水の一つだという。
旧東横野村は台地なのだが、宮本は北側の斜面を少し降りたあたりになる。湧き水というのは本当に不思議なもので、大きな山や森林の廻りだけでなく、東横野台地のような火山灰の乾いた感じの台地の周辺にも湧き出るものなのだ。
泉の中に大きな踏み石があり、その上に動物の糞があった。
植物の種がたくさん混ざっていることと、石の上の目立つところにしてあるので、おそらくテンの糞だと思う。
よく見ると、けもの道ができている。
こんな集落のなかでも、野生哺乳類が生き生きと活動しているのだ。こういう生きもののサインがわかるようになったらさぞや楽しいだろうと思う。
ロッポースイのもう一つは、この倉庫の前の前にあったという。
この湧水は倉庫を作るときにコンクリートで埋めたが、いまでも用水側に排水していて、かなりの量の水が出ていることがわかる。
いつか機会があったら、6箇所すべての湧水の跡を確かめてみたいものだ。
(2010年05月13日訪問)