咲前神社へ向かうとき、裏の細い道を通ったのだが、そのときに気になる辻堂があったので戻ってみた。
「気になる」というのは、「霊柩車がありそう」という意味での気になる、である。
これがその辻堂。
右側の倉庫状の部分がポイントだ。
お堂の内部は薄暗くてほとんど見えないが、誕生仏や弘法大師座像(左)などが置かれている。
右側の倉庫の中には案の定、野辺の送りセットが置かれていた。
霊柩車ではなく座棺輿のようだ。輿の屋根はこのように45度に分割して収納できるようになっているというのは初めて知った。
龍頭。葬送行列の先頭で掲げるもの。
私も子供のころ葬列でこれを持ったことがある。ほんの少し前まで、そういう葬送が普通に見られたとように思うのは、自分が歳を取った証しだろう。
もはや葬送行列による野辺の送りは、夢まぼろしのようなものになってしまった。
(2010年05月13日訪問)