蚊沼の谷を下って県道に戻る。その県道に面した小高い丘の尾根にあった飼育所。
ときどき、すごく日照条件のよい場所に稚蚕飼育所が建っていることがあるが、ここはその例のひとつだろう。
側面の高窓から、片側5室、合計10室のブロック電床育の飼育所だったと思われる。建物はブロック造、屋根は軽量鉄骨。
西側に飼育室があり、きれいに使われている。農作業用の部屋か、あるいは、子どもの勉強部屋か何かに使われていそうだ。
建物の北側は斜面からせり出すようになっているため、地下の貯桑室へは道路から直接搬入できた。現在は、農業用のトラクターの車庫になっている。
北側に建て増したような部屋がある。
その横に消毒槽があるから、この部屋は飼育所が使われていた当初からあったものだろう。消毒槽の横はトイレ。その他の部分は炊事場だったのではないだろうか。
配蚕口は東側になる。
いまコンニャク畑になっている場所が桑畑だったのだろう。
(2008年06月28日訪問)